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      • 発行日 2023年2月8日
      • 最終変更日 2023年11月7日
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    グリースガンに関するガイド

    この記事は、グリースガンの使用方法を紹介し、作業に適した製品を選ぶのに役立ちます。

    この記事では、各種グリースガンとグリースニップルについて詳しく説明しています。また、ニップル部品がどのように機能するか、その他のグリースガン付属品やキットがどのように利用できるかを紹介します。最後に、潤滑剤を必要とする様々な作業やメンテナンス作業において、グリースガンをいつ、どのように使用するのかを簡単にご紹介します。

    グリースガンとは?

    グリースガンは、様々な機械部品や可動部に潤滑剤やグリースを塗布するための便利な道具です。メカニック、エンジニアなどに利用されています。グリースガンは、圧力をかけて潤滑剤を供給するように設計されており、分解しないと手の届きづらい、回転ベアリングのような場所に潤滑剤を押し込んで注入することができます。

    グリースガンはどこに使う?

    ジョイントやベアリングの潤滑にグリースガンを使用すると、グリースを塗布する際の精度、圧力、流量をより正確に制御することができ、通常では手が届きにくい場所にもグリースを注入することができます。一般的な用途は、定期的にグリースを補給する必要のある非密封式ベアリングです。

    グリースガンは、工業やDIYの幅広い分野で使用されています。一般的には以下の例が挙げられます。

    • 自動車整備
    • 農業用車両・機器
    • 工場、プラント、加工システム(例:コンベヤその他の物品処理機械)
    • ガーデニングや造園(特に芝刈り機やチェーンソーのメンテナンスなど)
    Grease Nipple Kit

    グリースニップルとは?

    グリースガンを使用する際は、グリースニップルと呼ばれるフィッティングを介して必要な場所に直接潤滑剤を注入します。グリースニップルは、ねじ込み式の金属製バルブキャップの一種で、上部に小さな開口部があり、開口部の後ろには細い流路があります。この流路は、グリースを必要とする場所(通常はベアリングの空隙)に直接つながっています。

    グリースガンとグリースニップルを併用することで、手の届かない場所への潤滑を素早く簡単に、そしてきれいに行うことができ、後始末も最小限で済みます。

    グリースガンの種類は?

    グリースガンには大型から小型までさまざまな種類がありますが、以下のようなものがあります。

    • レバー式グリースガン:手動式グリースガンとも呼ばれ、単純な手圧トリガー機構で操作するタイプで、ユーザーが自分の力で押し出す力と流量をコントロールすることができます。
    • **ハンドポンプ式グリースガン:**このタイプは、内部に加圧ポンプハンドルまたはピストンを備えており、使用前にプライミングして圧力を発生させ、その後トリガー機構を介して解放することで、フィッティング内に潤滑剤を押し出すことができます。
    • **エア式グリースガン:**ホースを使ってコンプレッサーに接続する空気圧式のモデルで、工業用や大規模な商業用の用途で大きな力を発揮します。
    • **バッテリー充電式グリースガン:**バッテリー充電式グリースガンの基本的なメカニズムは上記のモデルと同様ですが、必要な圧力を得るための動力には、(ユーザーが手動または外部の手段で行うのではなく)搭載されたバッテリーを使用します。

    グリースガンの種類の概要は以上です。では、主なタイプのグリースガンについて詳細を見てみましょう。

    Pneumatic Grease Gun

    エア式グリースガン

    エア式グリースガンは、「空気圧式グリースポンプ」や「空気圧式グリースガン」と呼ばれることもあります。ベアリングなどの機構に素早く簡単に潤滑剤を塗布することができます。

    エア式グリースガンの特徴は、ベアリングの隙間に潤滑剤を押し込むために必要な圧力を、外部のエアコンプレッサーで調達することにあります。エア式グリースガンは、人手に頼らず機械的に空気圧を供給するため、「自動式」と呼ばれることもあります。

    エア式グリースガンやポンプを使用する場合、コンプレッサーは、グリースガンのハンドルや本体に取り付けられたホースやエアラインを介して、高圧の空気を供給します。これにより、グリースが工具の出口ノズルからグリースニップルやベアリングの隙間の開口部に押し出されます。

    コンプレッサーで得られる空気圧は、手動またはハンドポンプ式のガンで生成できる空気圧よりも高圧です。そのため、グリースの塗布が迅速かつ容易になる傾向があります。空気圧機器は、操作を誤ると部品が破損したり、怪我をしたりする危険性が高いため、適切な経験と注意が必要です。

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    Manual Grease Gun

    手動式グリースガン

    手動式グリースガンは、エア式グリースガンに比べると操作が簡単です。なぜかというと、ガンを作動させるために外部機器(コンプレッサーなど)に接続する必要がないからです。レバー式グリースガンと呼ばれる手動式グリースガンは、ハンドルやピストンを握ることでノズルからの潤滑油の流れを制御する仕組みになっています。

    ハンドルを握って加える力によって、グリースをベアリングに送り込む速度と圧力のレベルが決まります。手動式グリースガンのピストンやレバーを握る力の大きさによって、最大圧力が制限されます。

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    ハンドポンプ式グリースガン

    ハンドポンプ式グリースガンは、手動式グリースガンと操作方法が非常に似ていますが、1つだけ大きな違いがあります。ハンドポンプ式グリースガンは、ツールのレバーやピストンへの物理的な圧力が直接ノズルからの潤滑油の流れに変換されるのではなく、手動でのポンピング動作によって十分な圧力が蓄積されると、グリースの流れを「ロック解除」する追加のトリガー機構を備えています。このため、ハンドポンプ式はピストル式やピストルグリップ式のグリースガンとして販売されています。

    ハンドポンプ式グリースガンでは、ユーザーがピストンレバーを操作して圧力を発生させます(従来のハンドポンプと同じです)。その後、この圧力が必要なレベルに達したときに、グリースガンの別の引き金を引いて潤滑油を流します。これにより、一般の人の手の力だけでは不可能な大きな力を出すことができます。このように、ハンドポンプ式グリースガンは、完全手動式と完全自動式の中間的な存在であるといえます。

    バッテリー充電式グリースガン

    バッテリー充電式グリースガンとは、充電して使えるコードレスグリースガンのことです。バッテリーの充電方式はリチウムイオンバッテリーが採用されていることが多く、製品により差はありますが、1回の充電につき420mlのカートリッジ8~35本分の作業が行えます。充電時間は約60分としている場合が多く、短時間の充電でコードレスでの作業が行えることも特徴のひとつです。

    電源コードが不要であることから、電力供給源がない場所でも利用することができます。携帯性に特化していることから重量も比較的軽く、4~6kg程度であることがほとんどです。手軽に持ち運べることから建設現場や高所作業など、場所を問わず活躍するのがバッテリー充電式グリースガンです。グリース充填のしやすさにも配慮されていることから、カートリッジの準備料が少なくても続けて利用できるなど取り回しの良さに秀でており、電力供給源がない場所での利用を前提として、LEDライトやフレキシブルホースなどを搭載していたり、継続的な注油ができたりするよう工夫されている製品もあります。電力供給源のない高所などでグリースアップを行う際には、充電してコードレスで使えるバッテリー充電式グリースガンが便利です。

    業務用グリースガンの購入について

    業務用グリースガンの購入を検討されている方は、その仕組みや便利な理由など、基本的な情報はすでにご存知のことと思います。これらのツールは、自動車工場をはじめとするあらゆる機械・設備のメンテナンスや修理に広く使用されています。そのため、「car grease gun(カーグリースガン)」や「motorcycle grease gun(モーターサイクルグリースガン)」などと呼ばれています。

    しかし、オプションや構成が多様化しているため、それぞれのモデルの動作の違いをご紹介します。これにより、使用する作業の種類に応じて、どのタイプのグリースガンが最適かを判断することができます。また、数多くのグリースガン用アクセサリーやキット、追加機能を使用することで、1つのツールでより幅広い作業に取り組むことができます。

    グリースガンの仕組みとは?

    グリースガンの仕組みを理解しようとする前に、そもそもなぜグリース「ガン」と呼ばれているのか疑問に思うかもしれません。簡単に言えば、道具の形状と基本的な仕組みからそう呼ばれるようになったということです。

    グリースガンは、グリップとノズル(「銃身」のようなもの)を備えているだけでなく、一般的には、大きな「トリガー(引き金)」に似たレバーで操作します。一部の新しいモデルや自動化されたモデルでは、このレバーが従来の手動操作式のモデルよりも大幅に小さくなっている場合があり、これが「ピストル型」グリースポンプなどの用語の由来となっています。

    トリガー、ホースなど、グリースガンの基本的な特徴は、どんな形式やモデルであっても、おおよそ一貫している傾向があります。言い換えれば、完全な手動式、エア式、バッテリー式、ハンドポンプ式などにかかわらず、ほぼすべての種類のグリースガンはかなり似かよっています。

    下記は、グリースガンを構成するさまざまな部品を図示したものです。

    How Do Grease Guns Work Image

    次の章では、グリースガンとポンプの種類別に主な違いを見ていきます。重要な点は、ツールの種類によって最大流量が異なるということです。これにより、特定の用途に最適なグリースガンが決まることになります。

    グリースニップルについて

    グリースガンを使用したほとんどすべての潤滑剤の塗布には、潤滑対象の車両や機器本体に設置された「グリースニップル」または「グリースフィッティング」と呼ばれる小さな装置が使用されます。グリースニップルとは、回転ベアリングなどの可動部の外側にあるグリース穴にかぶせるバルブキャップのような機能を持つ小さな金属製の器具です。

    グリースフィッティングは、グリースガンのノズルがニップルにぴったりと合うように設計されています。グリースガンに圧力をかけて潤滑油を押し出すと、グリースニップルの開口部を塞いでいたボールベアリングが押し下げられ、フィッティングの穴からグリースが流れ出します。この穴から直接流路に入り、そのまま潤滑を必要とする部分に向かうのです。

    グリースフィッティングには、潤滑する部品の外側にあるグリースホールにねじ込むタイプと、少数ですが、摩擦によって固定するタップインタイプがあります。グリースニップルの開口部を塞ぐボールベアリングにはスプリングが搭載されており、基本的な逆止弁として機能し、加圧された潤滑グリースの流れが止まると、ボールベアリングは閉じた状態に戻ります。これにより、汚れや水分などの不純物が主軸受に入り込んで円滑な動作を妨げることを防ぐことができます。

    グリースフィッティングには一般的な形式が複数ありますが、最も一般的なのは標準的なサイズの凸型で、グリースガンノズルの一般的な凹型にぴったりと合うものです。この組み合わせにより、グリースガンを様々な角度から簡単に取り付けることができ、なおかつ気密性の高い接続が可能になります。つまり、潤滑油が意図した通りに隙間に挿入されずに、グリースニップルの外側ににじみ出てしまうケースが少なくなります。

    また、さまざまなサイズのグリースニップルとグリースガンフィッティングを組み合わせたキットも用意されています。例えば、日々のメンテナンスで規格外のグリースフィッティングに遭遇する自動車工場のプロの整備工にとっては、便利なオプションです。

    グリースガンの使用方法

    エア式・手動式を問わず、使用前にグリースや潤滑油を充填する必要があります。これは比較的簡単な作業ですが、この作業を迅速に行い、ガンを可能な限りスムーズに使用するには、ある程度の練習と経験が必要です。

    前述のグリースガン用の潤滑剤は通常、カートリッジで販売されています。このカートリッジは、グリースガン本体のボディやハンドルに設けられた密着型の筒やシリンダーに直接差し込むようになっています。また、多くは、カートリッジの下にあるプランジャー機構により古いカートリッジを開放し、新しいカートリッジを固定して、プライミングするタイプです。

    グリースガン用の潤滑剤やグリースには様々な種類があり、カートリッジにも様々なサイズがあることを知っておくことが大切です。作業を始める前に、どの種類のグリースが適しているかを知る必要があります。グリースの種類については、「グリース完全ガイド」で詳しく説明しています。

    グリースガンのカートリッジサイズにかかわらず、カートリッジの交換は通常、以下の手順で行われます。

    1. シリンダーをグリースガン本体から外し、古いグリースカートリッジを取り外します。
    2. 新しい潤滑剤カートリッジを開封し、チューブに挿入します。この手順は、各メーカーのガイドラインを確認することをおすすめしますが、一般的にはチューブの一方の端を開き、その端をシリンダー内に挿入した後、もう一方の端を開きます。
    3. 補給したチューブをグリースガンの本体にきつくなるまでねじ込み、1回転戻します。
    4. プランジャーを押し戻し、ネジ付きのシリンダーをグリースガン本体に再び締め付けます。
    5. 以前と異なるグリースを使用している場合は、古いグリースが内部に残らなくなるまで、グリースガンのノズルから新しい潤滑剤を少量ずつ送り出す必要があります。

    グリースガンに新しい潤滑剤カートリッジを取り付けた後の正しい使用方法は、グリースガンの種類によって大きく異なります。手動式グリースガンであれば、潤滑したいベアリングのグリース注入口にノズルまたはチップを取り付け、ベアリングに適量のグリースを注入するまで一定の圧力をかけるという簡単な作業です。エア式グリースガンの場合は、まず適切なコンプレッサーや発電機を使って正しくセットアップする必要があります。

    その他のヒント

    グリースガンを効果的に使用するためのその他のヒントは以下のとおりです。

    • グリースガンを使用する際には、潤滑剤が高圧になっているため、必ず保護用の安全眼鏡と手袋を着用してください。
    • 古いグリースと新しいグリースを混ぜないでください。作業内容や使用する部品に適したタイプの潤滑剤のみを使用してください。
    • 使用しているグリースガンが、選択した潤滑油での使用に適していることを確認してください(異なる用途のために複数の潤滑油や複数のグリースガンを所有している場合は、はっきり区別しておくと便利です)。
    • 新しいグリースカートリッジを充填する際には、ベアリングを損傷する可能性のある汚染物質が混入しないように十分注意してください。特に、新しいグリースを塗布する前にノズルがきれいで古い物質がないことを必ず確認してください。
    • 同様に、グリースガンのノズルを取り付ける前に、グリースのニップルやフィッティングがきれいであることを確認してください。
    • すべてのネジ、カプラー、および接続部がしっかりと閉じられていることを確認してください。ただし、締めすぎると圧力や流れに不具合が生じる可能性があります。
    • 表面や床にグリースが残っていると危険ですので、こぼれたものは必ずすぐに清掃してください。
    • グリースガンとカートリッジは、涼しくて乾燥した環境で直立して保管してください。偶発的な汚染のリスクを最小限に抑えるために、ノズルやカプラーにもカバーをかけるのが理想的です。

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