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      • 発行日 2024年2月26日
      • 最終変更日 2024年2月26日
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    意外と知らない「FA機器」のキホンとは?分類やメリット・注意点について解説

    FA機器は、工場などの生産ラインや検査を自動化するための機器です。当記事では、FA機器の概要から分類、導入に対するメリットと注意点について解説します。

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    FA機器とは?

    FA機器とは具体的にどのようなものを指すのでしょうか。FA機器は、工場の生産ラインを自動化するための機器全般を指します。これには、ロボットアーム、搬送装置、画像検査装置、センサー、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)といったものが含まれます。

    これらの機器を適切に配置し、互いに連携させることで、工程全体を効率的に自動化することが可能になります。FA機器は、人間が行う作業を機械が実行することにより、生産効率の向上、品質保証、労働力不足の解消などの利点を生み出します。

    FA機器の分類

    FA機器の分類は、操作、制御、駆動、検出、表示の五種類あります。ここでは、それぞれの分類について詳しく説明します。

    操作

    FA機器は、人間の操作によって動作を開始するものも多く含まれており、それらは「操作」カテゴリーに分類されます。これらの機器には、スイッチ、ボタン、レバー、タッチパネルなどがあり、設備や機器の稼働を制御します。

    自動販売機やATM、工作機械など、日常生活や産業現場で広く利用されているFA機器は、この操作部分によって機能を発揮します。

    例えば、自動販売機では商品選択ボタンを押すことで商品が排出され、おつりレバーを引くことでおつりが出てきます。これらは全て人間の操作によって行われ、それにより機器が所定の動作を行います。

    制御

    制御は、特定の条件下で装置の動きをコントロールするものです。

    例えば、自動販売機を考えてみましょう。お金を投入した時、投入金額が商品価格を上回ると「購入可能」を示すランプが点灯します。これは、制御機能が金額計算をし、足りていることを確認した結果です。

    また、商品を選択しボタンを押すと、選択した商品のストッパーが開き1つの商品が排出されるのも制御機能によるもので、押されたボタンに対応する商品が正確に排出されるように制御されています。

    駆動

    駆動は、機器の動作を制御し、必要な機能を適切に機能させるためのものです。例えば、モーター、電磁弁、ヒーターなどの出力をON/OFFすることが駆動です。これらの機器は、FA機器が適切に機能するために必要なエネルギーを供給します。

    さらに、物理的に動いていないように見えるFA機器でも、内部では様々な部品が連携して動作しています。

    検出

    FA機器の一つであるセンサーや画像認識装置の役割は、様々な状況を検出し、それを制御システムに伝えることです。

    これらの検出装置は、生産ラインの効率化や安全確保に重要な役割を果たしています。例えば、製品が正しい位置にあるかを確認したり、機器が適切な速度で動作しているかを監視したりします。

    センサーは、温度、湿度、圧力、距離など、さまざまな物理的・化学的状況を検出することが可能です。これらの情報は、機器の動作状況を把握し、適切な制御を行うために不可欠です。

    例えば、自動販売機の温度制御では、温度センサーが常に内部環境を監視し、必要に応じて冷却や加熱を制御します。

    一方、画像認識装置は、カメラで撮影した映像を解析し、特定の対象や状況を検出します。これにより、人間の目では見逃しやすい細部まで検出することが可能となります。例えば、製品の欠陥検出や、ロボットの位置認識などに利用されています。

    表示

    表示装置は、生産設備の状態を視覚的に伝達する重要な役割を果たします。これらはランプ、表示灯、またはタッチパネルのエラー表示などの形を取り、設備が正常に動作しているか、あるいは何かの異常が発生しているかを示すために使用されます。

    操作者が設備の状態を確認できることは、生産ラインの効率だけでなく、作業者の安全にも直接関連しています。例えば、表示装置がなければ、装置が停止している状態であることを誤認し、機械が突然動き出す可能性があります。

    FA機器を導入するメリット

    FA機器を導入するメリットは、人件費削減や生産性向上、品質向上など、多岐にわたります。

    ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

    人件費削減

    FA機器の導入は、生産効率の向上だけでなく、人件費削減という大きなメリットをもたらします。具体的には、一部の作業を自動化することで、人力による作業時間を大幅に減らすことが可能です。

    例えば、4人で作業していた工程をFA機器の導入により、2人や3人に減らすことができます。FA機器の導入により一人あたりの人件費を削減し、全体のコスト削減につながります。

    生産性向上

    FA機器は、特定の作業を自動化し、人間の手間を大幅に削減することで、生産ライン全体の生産性を高めます。これにより、生産量を増やし、労働力を節約することが可能になります。

    専門的な技術や知識を必要とする作業の自動化により、労働者の負担を軽減し、彼らをより価値の高い作業に集中させることができます。さらに、FA機器の高精度な作業により、製品の品質を一貫して保つことが可能になります。

    また、FA機器の導入は、極端な場合、無人の工場を作り出すことも可能です。これは、経費削減と生産性向上の両方を実現するための強力な手段となります。

    品質向上

    FA機器の導入による品質向上は、製造業における重要な課題解決策の一つと言えます。

    製造過程における人的ミスは、品質不安定の主な原因であり、これを解消することは極めて重要です。人的ミスを防ぐための対策は多く検討されてきましたが、根本的な解決には至っていません。

    ここで注目したいのがFA機器の導入です。FA機器は、人の手を介さずに機械が自動的に作業を行うことで、人的ミスを大幅に削減することが可能です。

    また、一貫した作業を行うため、品質のばらつきを最小限に抑えることができます。人手作業が減ることで、作業ミスによる品質低下のリスクが軽減され、安定した品質の維持が期待できます。

    FA機器を導入する際の注意点

    FA機器の導入は、生産性の向上や労働力不足の解決など、多くのメリットをもたらします。しかし、その一方で、適切な導入と運用を行うためにはいくつかの注意点が存在します。

    ここではそれぞれの注意点について詳しく解説します。

    コストがかかる

    まず、初期投資としてFA機器自体の購入費用が必要となります。これはFA機器の種類や規模によりますが、それだけで数千万~数億円となることもあります。また、FA機器は一度購入すれば終わりではなく、定期的なメンテナンスや点検、修理などが必要となるため、維持費も考慮する必要があります。

    さらに、導入後の運用には専門的な知識を持った人材が必要となります。このため、既存の従業員への教育投資が必要になるか、外部から専門人材を確保する必要があります。これらの人材確保や教育費用も、FA機器導入のコストとして計上する必要があります。

    故障のリスクがある

    故障が発生した場合、適切な対応ができれば大きな問題に発展することは防げます。

    しかし、故障が複雑なものであればあるほど、修復に時間がかかる可能性があり、結果として生産に大きな影響を及ぼすこともあります。最悪のシナリオとしては、生産停止という事態まで発展する可能性もあります。

    故障が発生した場合の対応としては、まず社内の生産技術部隊が修理可能な範囲での対応を試みます。この対応によりダメージの拡大を防ぎ、修復費用を抑えることが可能です。

    しかし、大規模な故障が発生した場合は、専門的な知識と技術を持つメーカーに修復を依頼することが必要です。これには時間と費用がかかるため、生産停止リスクを正確に評価しなければなりません。

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    まとめ

    FA機器とは、工場の生産ラインの自動化を支援するための機器のことを指します。FA機器には、産業用ロボットPLC(Programmable Logic Controller:プログラム可能な論理制御器)、HMI(Human Machine Interface:人間と機械のインターフェース)、センサーモーターコントローラなどがあります。

    これらのFA機器は、生産プロセスを自動化し、効率化することでコスト削減や生産効率の向上、品質の均一化を実現します。

    また、FA機器による自動化は、高度な精度や再現性が求められる作業や危険な作業を安全に行うことも可能にします。工場の自動化は、これからも産業界での主要なトレンドの一つとなるでしょう。

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