マイクロメータの読み方
マイクロメータは、円筒形や球形の物体の測定に最適なツールです。マイクロメータを使うためには、以下の手順を踏む必要があります。
- 主な技術用語をしっかりと覚える。
- マイクロメータの掃除をします。きれいな紙や柔らかい布を使って、アンビルとスピンドルの間についた汚れやゴミを取り除きます。
- 測定対象物をアンビルの横に置くことから始めます。このとき、測定物を安定させ、傷をつけないようにすることが重要です。マイクロメータの操作は、手で行ってもかまいません。また、固定式の万力を使用して、両手でマイクロメータを操作することもできます。
- ラチェットを反時計回りに回し、シンブルの0マークがスリーブの目盛と一致するようにします。スピンドルが対象物に密着するまで回し続けます。3回転が目安です。
- シンブルロックは、マイクロメータを対象物に密着させた状態で行います。必要に応じて、スピンドルを調整することができます。マイクロメータが十分に機能していることを確認したら、アンビルやスピンドルの表面に傷がつかないように注意しながら、対象物の取り外しを進めてください。
- 最後に、スピンドルが安定していることを確認しながら、測定値を記録します。
以下では、特定のマイクロメータの読み方について詳しく説明します。
メトリックマイクロメータ
メトリックマイクロメータを使用する際には、マイクロメータのシンブルに表示されている数字の目盛りを知っておく必要があります。一般的には、シンブルの一番上の目盛りがミリメートルで、その下の目盛りが1/2ミリメートルとなっています。
メトリックマイクロメータを読む際は、まずミリ数を記録します。最初に「7」と表示されていれば、7mmに相当します。シンブルの半分の長さの線はそれぞれ考慮に入れなければなりません。つまり、下側の線を注意深く読み、対応する0.01mmの数字を正しく認識するのです。例えば、この例では0.5mmを確認したとします。 続いて、メトリックマイクロメータの0.01mmの合計数を確認します。つまり、シンブルの読みが42であれば、測定値は0.42mmとなります。3本の線をそれぞれ足して、合計の読みを出します。この場合、7+0.5+42となります。
バーニアマイクロメータ
バーニアスケールと一体化したマイクロメータを使用して、スリーブの基線から読み取ることができます。これにより、0.001mm以内の正確な読み取りが可能です。最初の読み取りはスリーブから行います。測定値は0.25ミリまたは0.025インチの間隔で表示されるようになっています。例えば、スリーブの読み取り値を3.25mmとします。
次に、シンブルの測定値を測定します。これらの測定値は、0.1ミリまたは0.01インチの間隔で表示されます。例えば、シンブルの測定値が0.8mmだったとします。最後に、スリーブの最初の目盛のすぐ隣にあるバーニア目盛から読み取ります。
バーニアマイクロメータの目盛は、0.001mmまたは0.0001インチで表示され、対象物のサイズを極めて正確に把握することができます。ここでは、バーニア目盛の読みを0.068mmと確認したとします。3つの読み取り値を合計すると、4.118mmとなります。
なお、マイクロメータの測定値は、温度の変化によって影響を受けやすいので注意が必要です。マイクロメータをポケットの中に入れたり、熱のこもった作業環境に置いたりしないようにしてください。
インペリアルマイクロメータ
インペリアルマイクロメータのスピンドルには、1インチあたり40本のねじ山が刻まれています。1回転するごとに、スピンドルは0.0025インチの軸を中心に移動しますが、これはスリーブの隣り合う目盛りの間の面積に相当します。
シンブルには25個の目盛りがあり、これは測定値をその数だけ分割できることを意味します。表示される数値は、スリーブの目盛りの整数部に25を掛けたものに直接対応しています。つまり、結果として得られる直径は1000分の1インチで表示されることになります。