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      • 発行日 2023年10月11日
      • 最終変更日 2023年11月8日
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    半導体のエッチング工程とは?手法やメリットについても詳しく解説!

    半導体製造では、エッチングという工程が行われます。このエッチングが行なわれることにより、複雑で精巧な集積回路(IC)を正確に描くことができているのです。そこで当記事では、製造工程におけるエッチングの手法やメリットについて詳しく解説していきます。

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    半導体のエッチングとは?

    半導体のエッチングとは、半導体の製造過程で使用される方法で、化学物質やエッチング液を用いて、半導体ウエハーの表面に加工を施す手法を指します。

    このエッチングという工程は、半導体ウエハーの表面を溶解させたり、必要のない部分を除去する方法で、集積回路(IC)などを製造する際に重要な技術となります。

    半導体製造におけるエッチング工程の内容

    半導体製造におけるエッチング工程の内容では、シリコンウエハー上の膜を除去し、パターンを形成していきます。

    エッチングは半導体製造の前工程に含まれる作業で、ウエハー上に回路を描くフォトリソ工程が完了した後に、不要な酸化膜を除去して半導体のパターンを残す工程です。

    半導体のエッチング加工の手法

    半導体のエッチング加工の手法には、以下の手法があります。

    1. ドライエッチング
    2. ウェットエッチング

    それぞれの手法について、説明していきます。

    ➀ドライエッチング

    ドライエッチングとは、真空状態の容器などの中でガスをプラズマに変化させ、プラズマ状態にイオンをあてることで不要な部分を除去する方法です。

    ドライエッチングは、ウェットエッチングとは異なり、液状の薬剤を使用する方法ではありません。

    微細加工や異方性に優れていて高度な加工ができる反面、使用するガスや装置のコストパフォーマンスが低い、基板がダメージを受けやすい点がデメリットとして、捉えられてしまうかもしれません。

    ここでいう異方性とは、エッチングが一方向に行われていくことです。

    また、高度な技術を使用するため、ガスの濃度や温度を管理するといった知識が必要です。

    ドライエッチングの中には、いくつかの種類があります。

    半導体の洗浄工程でも使用されるフッ化水素を用いて酸化膜を取り除く「ガスエッチング」や、反応性ガスを真空状態に入れて高速イオンで削りだす「スパッタエッチング」、スパッタエッチングと同様にイオンをあてて削りだす方法に加えて、高周波電圧の信号を与えることで化学反応を起こさせて微細加工をする「反応性イオンエッチング(RIE=Reactive Ion Etching =)」があります。

    現在の半導体製造においては、高度な技術が必要とされてきていいます。そのため、加工精度や微細加工が可能であるドライエッチングの役割は、大きくなりつつあります。

    ➁ウェットエッチング

    ウェットエッチングとは、半導体の表面を洗浄するときや高度な加工をする際に用いられる技術です。

    具体的な方法として、エッチング液をウエハーにかけることによる化学反応で不要部分を腐食させて除去します。このときに使用するエッチング液は、ウエハーに使用される半導体の材料によって使い分けられます。

    ドライエッチングとは異なり、異方性はなく等方性の性質を持っているため、全方位をエッチングすることになります。エッチング液が沁み込んでしまった箇所は腐食作用が働いてしまうので、微細加工をすることは難しいです。

    また、エッチング液を使用して表面を腐食加工するため、費用やスピードの面でも注目されています。ドライエッチングと比較すると、基板へのダメージが少ない点もポイントになるでしょう。

    ドライエッチング装置の特徴

    半導体の製造工程で、基板を図面通りに微細加工するための装置をドライエッチング装置といいます。

    半導体のドライエッチング装置は、半導体デバイスの微細化や高集積化を実現する目的があります。

    主な特徴としては、高精度かつナノ単位で緻密な加工が可能で、意図した方向にだけエッチングを施す異方性エッチングにも対応できる点やプラズマを使用したスパッタリングも利用できる点などがあります。

    そのほか、アルミニウム合金など特定の半導体材料を選んだエッチングも可能で、半導体を製造する工程としては大きな成果をあげています。

    ウェットエッチング装置の特徴

    半導体の製造工程で、薬液であるエッチング液を使用して不要部分を取り除く装置をウェットエッチング装置と言います。

    ウェットエッチング装置は、エッチング液を使用して化学反応による腐食を施し表面を削ったり、ひとつの工程で複数個の加工が可能でコストを抑えつつ、素早い作業ができるという特徴があります。

    ドライエッチングとウェットエッチングの使い分けポイント

    ドライエッチングとウェットエッチングのどちらを使用するかを迷った場合、どのような回集積回路(IC)をつくるかで使い分けましょう。

    1μm以下の繊細な加工を施すのであれば「ドライエッチング」、繊細さよりもコストパフォーマンスを重点に置きたい場合には「ウェットエッチング」を基準に選択してください。

    半導体のエッチング加工によるメリット

    半導体の製造過程におけるエッチング加工のメリットは、いくつかあります。

    金型を使用したプレス加工の必要性がない点や、高コストのレーザー加工よりも費用面で安価な点などがあります。

    プレス加工で使用する金型自体を設計製造する必要がないため、短期間での加工が可能であり、様々な組み合わせのものを高い精度での加工が可能です。

    そのため、試作品などで有用性があるとされています。

    半導体製造以外のエッチング活用分野

    エッチング加工技術は、半導体以外にも金属加工、ガラス加工、医療分野でも活用されています。

    金属の加工においては、細かな表面の加工に用いられ、刻印や文字を刻む際に使用されています。ガラスの加工においても同様に使用されており、高い技術性が評価を得ています。

    医療分野では、人の体内に埋め込むための医療用プラントの表面加工にエッチング技術が用いられています。

    特に医療分野でのエッチング技術は微細な加工が可能なため、以前の医療用プラントと比べても安定感や長期的に機能するなど多くのメリットがあります。

    まとめ

    半導体製造におけるエッチング加工は、基板もしくは基板上の薄膜を図面通りかつ微細に削ることが目的です。

    準備段階である成膜工程とフォトリソグラフィ工程、そしてエッチング工程を何度も繰り返すことで、平面状だった構造を立体的な構造に加工していきます。

    半導体の製造におけるエッチング加工には、ウェットエッチングとドライエッチングの二つの種類があり、ウェットエッチングでは、エッチング液を使って表面を腐食し削っていきます。この加工方法は、低コストかつスピーディーに加工できる点が特徴です。

    ドライエッチングでは、化学ガスとプラズマを使用して酸化膜を取り除く方法です。この手法は、より高い精度で微細な加工が可能です。このように、エッチング加工は半導体製造において重要な役割を果たしています。

    そのほか、今後もあらゆる分野での活用が見込まれるため、エッチング加工の技術は重要です。エッチング加工の技術が進化するにつれて、半導体の性能も進化すると考えられます。また、そのことは日常生活の豊かさにも影響すると考えられるでしょう。

    そのため、どのようなエッチング方法がでてくるのか、注目してみてください。

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