半導体の露光装置とは、ガラス製の基板であるフォトマスクに記録された微細な電子回路パターンをウエハーに転写するための装置です。 半導体製造の重要な技術である高精度な露光工程を一手に担うこの装置は、「史上最も精密な機械」とも称されており、精密部品の半導体チップ生産には欠かせない存在となっています。
半導体の露光装置は、半導体に回路パターンを描く工程に使用されます。 半導体チップは、ウエハーと呼ばれる半導体基礎の上に微細な回路パターンを露光によって形成します。 半導体の露光装置は、レチクルと呼ばれる基板に描かれた回路パターンを、投影レンズを利用して縮小し、ウエハー上に露光する役割を果たしています。 つまり、半導体の露光装置があることで、最新機器に対応した高精度の半導体製造ができるのです。
ステッパー方式ステッパー方式とは、フォトマスク全面に光を当てて転写する方式であり、ほとんどがこの方式を取り入れています。 ステッパー方式は、安価でランニングコストを抑えることができます。 しかし、フォトマスク全面に光を当てる都合上、レンズの広い面積を利用するので歪みが多く、スキャナー方式と比較すると、解像度が比較的低くなってしまう傾向にあります。
スキャナー方式スキャナー方式とは、フォトマスクの一部に光を当て、スキャンするように転写していく方式です。 照射面積が広く、歪みが小さいレンズの中央部分を使うので、解像度を高くできて微細な回路を描くことができます。 そのようなメリットがある一方、機能性が高いゆえに導入コストが高くなるという点が懸念点になってしまうかもしれません。
露光装置は、解像度が高いほど精密な作業ができます。細かい回路パターンを転写させるには、解像度が高いことがポイントです。 解像度は、下記の式で計算します。 【R(分解能)=k1(プロセス係数)×λ(波長)/NA(開口数)】 数値としては「k1(プロセス係数)が小さく」「NA(開口数)は大きく」「λ(波長)は小さく」することで、解像度を高めることができます。 次の項で、具体的にどのようにすると解像度が上がるかを説明しているので、ご確認ください。
レンズの開口率を大きくするレンズの開口数を大きくするのも、解像度を高くする方法です。 開口数が大きいとより多くの光を集められ、小さい点に光を集めることができるので細かく回路パターンを描くことができます。
半導体の露光装置とは、半導体に電子回路を紫外線レーザーで焼き付けて描く装置です。 フォトマスクという原板に紫外線光を当て、レンズを通すことによって光が縮小され、ウエハーと呼ばれるチップの素材にレーザーを当てることで回路パターンを描く仕組みになっています。 半導体の露光装置を使用するにあたっては、解像度を上げることが最も重要な要素であり、高いほど細かい作業が可能です。 具体的には波長の短い光源を当てたり、レンズの開口率を上げたりするなどの対策方法があります。 半導体チップの生産性を上げるには、素早く精密な動作が可能な露光装置が必要不可欠です。 導入コストは高い傾向にありますが、より良い製品の製造のために活用を検討してみてはいかがでしょうか。
技術情報 Ideas and Advice半導体とは?半導体の基礎知識を解説! この記事では、半導体に関する基礎知識を5分でわかるように解説します。ぜひ、基本的なことを知りたい方は参考にしてみてください。 もっと読む