それでは、温度測定器の種類ごとに温度の測り方について解説します。
ガラス温度計
ガラス温度計で温度を測るときは、浸没条件を守って測るようにします。浸没条件とは温度計ごとに記された「浸没線」「浸線」「没線」などの線にあわせて対象物を接触させることで、各線にあわせて対象物を接触させなければ正しく測定できません。
正しく温度を測定するためには、浸没条件に注意しましょう。
熱電対温度計
熱電対温度計で温度を測定するには、センサーを測定する対象物に接触させるようにします。液体の場合であればセンサーを液体に浸し、柔らかな固形物の場合は温度を測定したい位置までセンサー部分を刺すようにしてください。気体の温度を測るなら、測定値が動かなくなるまで待ちます。
熱電対温度計では測定対象物にセンサーを触れさせて測るのが基本です。
白金測温抵抗体
温度測定で白金測温抵抗体を使用するなら、次のようなポイントによる誤差に注意しましょう。
- 内部導線による抵抗
- 温度測定器自身の発熱
- 流す電流値
導線や測定器自身の発熱、流す電流値が変化することにより誤差が生じる場合があるため正しい使い方を習得することが正しい測定につながります。
バイメタル温度計
バイメタル温度計で温度測定をする場合は、測温部を測定対象物の中に挿入して測ります。測温部は先端から100mm程度となっており、測定対象物の中に曲がらないよう、まっすぐに入れて測定を測定してください。測定対象物の中に測温部をすべて挿入したら、温度を読み取ります。
放射温度計・サーモグラフィ
放射温度計やサーモグラフィでは、測定対象物が視野の中に入るようにして測定します。ただし測定対象物と温度計の間にガラスや電線などの障害物があると、障害物の温度を測定してしまう可能性があるため障害物が入らないように周囲してください。障害物がない状態で、測定対象物が視野に入るようにして測定しましょう。
サーミスタ
サーミスタを使用して温度を測定する場合は、回路内の固定抵抗とともに組み込みます。サーミスタは抵抗値の変化により温度を測定するため、他の固定抵抗により電圧を分散させなければなりません。サーミスタでの温度測定は回路内の固定抵抗とともに、回路内に正しく実装することがポイントです。
温度感知シール
温度感知シールでの温度測定方法は、測定対象物にシールを貼り付けるだけです。シールの裏側には接着剤がついているので、保護シートを剥がして対象物に貼り付ければ常に貼付した場所の温度を測定できるようになります。温度感知シールを用いた測定方法は簡単で、測定したい部位にシールを貼り付けるだけで完了します。