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      • 発行日 2023年7月6日
      • 最終変更日 2024年10月2日
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    温度測定器の種類

    この記事では、温度計の種類と測り方を紹介します。

    温度計とは

    温度計とは大気や対象物の温度を数値で示せるツールのことです。別称では寒暖計と呼ばれることもあります。暑さと寒さ、もしくは熱さと冷たさを測定したり、温度の変化を表現したりするために、温度を数値化するために使用する測定器が温度計です。

    温度計の歴史

    温度計は1592年頃に開発されたとされています。1592年頃にガリレオ・ガリレイが製作した「サーモスコープ」が温度計の始まりだとされており、その後、17世紀の中頃にガリレオ・ガリレイの弟子たちにより「アルコール温度計」が作成され、1724年にはファーレンハイトにより「水銀温度計」が作られ。温度計がより身近なものとなりました。そしてアルコール温度計が、現在利用されている温度計へと進化していったとされるのが温度計の歴史です。

    温度の測定

    温度とはどのように測定されるのでしょうか。

    温度は多くの種類のセンサーによって測定することができます。すべては物理的特性の変更の感知によって温度を測定します。代表的なものとして、ガラス温度計、熱電対、白金測温抵抗体、バイメタル温度計、サーミスタ、温度感知シールがあります。

    ガラス温度計

    ガラス温度計とは、ガラスの細管の中に感温液を入れ、液柱の位置から温度を読むようにしたものです。温度による液体の膨張から温度を測ります。室内の温度を見るのに、もっとも普及してます。

    ガラスの材質、液体の種類を選ぶことで0.01K程度の精度(温度差についてはさらに1ケタ以上高い精度)で温度を測ることができます。

    ガラス温度計

    通常使われるガラス温度計は、感温液により大きく水銀温度計と有機液体温度計(アルコール温度計、赤液温度計とも言います)に分けられます。

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    熱電対

    熱電対とは、異なる材料の2本の金属線を接続して1つの回路(熱電対)をつくり、2つの接点に温度差を与えると、回路に電圧が発生するという現象を利用して温度を測定します。異なる材質を組み合わせて測定するので熱電対と呼ばれます。

    高精度の測定(<0.1K)は難しいですが、幅広い温度領域について、簡便・迅速に温度の測定ができます。

    熱電対

    種類がさまざまありますが、通常よく使われるのは JIS にも規定された(JIS C1602)、K熱電対(クロメル-アルメル CA)、J熱電対(鉄-コンスタンタン)、E熱電対(クロメル-コンスタンタン)です。K、J熱電対には冷接点補償機能の付いた専用ICも市販されていて便利です。

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    白金測温抵抗体

    白金測温抵抗体とは、金属の電気抵抗が温度変化に対して変化する性質を利用した『測温抵抗体』の一種で、温度特性が良好で経時変化が少ない白金(Pt)を測温素子に用いたセンサです。

    白金抵抗温度計は熱電対に比べて温度誤差が非常に小さく、互換性にも優れているため高精度の温度測定や温度制御に用いるのに最適です。より小さい場所あるいは狭い場所を正確に測定することができるようになります。

    化学的に安定で高温にも耐え、高精度の温度測定に使用され、国際温度目盛ITS-90でも、-260℃ぐらいから700℃ぐらいまで、ほぼ1000Kにわたる範囲は、白金抵抗温度計で測定することになっています。抵抗値としては0℃で100Ωのものがよく用いられていて、通常シースに入った形で使用されています。

    白金測温抵抗体

    白金素線を用いたもの以外に、白金薄膜を用い小型チップにしたものも市販され、抵抗値が高いものにも利用できるようになってきました。

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    放射温度計

    温度計の原理は、方式によって違います。接触方式が、物体の持つ熱が他の物体に伝わる性質(熱伝導)を利用しているのに対して、非接触方式の代表である放射温度計は、赤外線の量によって温度を測定します。

    放射温度計

    自然科学、各種産業における研究、開発、生産管理では、温度は重要な情報として活用することが積極的に行なわれており、なかでも非接触温度計は、温度測定の領域を飛躍的に広げることのできる温度計として注目され、すでに幅広い分野で使われています。

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    サーモグラフィ

    放射温度計の発展形として「サーモグラフィ(熱画像カメラ)」が使われる機会が増えています。放射温度計が対象物(範囲の)温度を1個の数値として出力するのに対して、サーモグラフィでは温度の分布を2次元の画像として捉えることができるほか可視画像と比較も可能です。

    サーミスタ

    通常サーミスタとして使用されるものは金属酸化物の焼結体で、温度に対する感度が高く、1/10000K程度の高い感度での温度測定が可能です。

    サーミスタ

    ただし安定性には難のある場合が多いようです。そして熱伝導率があまり大きくないので、発熱にも注意が必要です。また電子回路の温度補償用ディスク型のものが多数出回っていますが、温度の測定にはビーズ型の方が安心です。

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    温度感知シール

    温度感知シールは、温度を知りたい部位に貼るだけと取扱いは容易です。

    一度発色すると元に戻らない不可逆性タイプ(温度履歴タイプ)、設定温度以上で発色し、設定温度以下で元の色に戻る可逆性タイプ、及び不可逆性と可逆性の組合せタイプなどがあります。

    それでは、温度測定器の種類ごとに温度の測り方について解説します。

    ガラス温度計

    ガラス温度計で温度を測るときは、浸没条件を守って測るようにします。浸没条件とは温度計ごとに記された「浸没線」「浸線」「没線」などの線にあわせて対象物を接触させることで、各線にあわせて対象物を接触させなければ正しく測定できません。 正しく温度を測定するためには、浸没条件に注意しましょう。

    熱電対温度計

    熱電対温度計で温度を測定するには、センサーを測定する対象物に接触させるようにします。液体の場合であればセンサーを液体に浸し、柔らかな固形物の場合は温度を測定したい位置までセンサー部分を刺すようにしてください。気体の温度を測るなら、測定値が動かなくなるまで待ちます。 熱電対温度計では測定対象物にセンサーを触れさせて測るのが基本です。

    白金測温抵抗体

    温度測定で白金測温抵抗体を使用するなら、次のようなポイントによる誤差に注意しましょう。

    • 内部導線による抵抗
    • 温度測定器自身の発熱
    • 流す電流値

    導線や測定器自身の発熱、流す電流値が変化することにより誤差が生じる場合があるため正しい使い方を習得することが正しい測定につながります。

    バイメタル温度計

    バイメタル温度計で温度測定をする場合は、測温部を測定対象物の中に挿入して測ります。測温部は先端から100mm程度となっており、測定対象物の中に曲がらないよう、まっすぐに入れて測定を測定してください。測定対象物の中に測温部をすべて挿入したら、温度を読み取ります。

    放射温度計・サーモグラフィ

    放射温度計やサーモグラフィでは、測定対象物が視野の中に入るようにして測定します。ただし測定対象物と温度計の間にガラスや電線などの障害物があると、障害物の温度を測定してしまう可能性があるため障害物が入らないように周囲してください。障害物がない状態で、測定対象物が視野に入るようにして測定しましょう。

    サーミスタ

    サーミスタを使用して温度を測定する場合は、回路内の固定抵抗とともに組み込みます。サーミスタは抵抗値の変化により温度を測定するため、他の固定抵抗により電圧を分散させなければなりません。サーミスタでの温度測定は回路内の固定抵抗とともに、回路内に正しく実装することがポイントです。

    温度感知シール

    温度感知シールでの温度測定方法は、測定対象物にシールを貼り付けるだけです。シールの裏側には接着剤がついているので、保護シートを剥がして対象物に貼り付ければ常に貼付した場所の温度を測定できるようになります。温度感知シールを用いた測定方法は簡単で、測定したい部位にシールを貼り付けるだけで完了します。

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