まずFRAMとは何か、特徴と構造について解説します。
FRAMの特徴
—— FRAMとは高速で動作する不揮発性強誘電体メモリのことです。
FRAMではデータを保存するためにバッテリバックアップがいらず、他の不揮発性メモリより処理速度が速いことが最大の特徴。消費電力は少ないながら書き込み速度は高速で、多くの書き換えにも耐える耐久性を持ちます。FRAMとは他のメモリと比較して高速・少消費電力・耐久性という3つの特徴を誇るメモリのことです。
FRAMの構造と記憶
—— 強誘電体メモリであるFRAMは強誘電体薄膜を含む3層構造です。
強誘電体とは電界を加えることで分極を生じさせながら電界をゼロにしても分極が残る絶縁体のことであり、一度電界が加わると強誘電性を発揮し、安定点に位置した後は電界がゼロになっても分極状態が記憶され位置が変わりません。そして分極が記憶された状態で電極を設けキャパシタを構成すれば、ヒステリシスが得られて記憶が可能となるため、記憶方法が他のメモリとは異なります。以上のようにFRAMは分極状態が記憶される規則素子である強誘電体を、金属の電極で3層構造にして挟んだ構造によって成り立ちます。