Class1は信号回路用で、比較的小容量のグループです。0±60ppm/℃(CH特性)など温度に対する容量変化率がごく僅かなものや、容量にわずかな負の温度係数を持たせることで回路の温度補償などに用いるためのもの(RH特性など)があります。いっぽう、Class2(高誘電率系)は電源回路やカップリングなどに用いる大容量のグループです。Class2は、さらに温度係数の大きなグループがあります。便宜上、表ではA、B、Cに分類してあります。結論を先に書きますと、Class1とClass2では同じセラミックでも、別種のコンデンサであると考えたほうがよいです。
ちなみに、大容量の積層セラミックコンデンサはClass2であり、表の[C]に属するものも多いです。実際、Class1と2では、誘電体の組成からして別のモノです。Class1は安定しており、容量変化に敏感な回路にも使えます。温度に対してリニアに変化することを逆に利用して、温度補償などにも用いられます。これに対して、Class2では容量変化がグンと大きくなります。[B]のグループでも、常温の範囲で±10%オーダの容量変化があります。ただ、この程度であれば、他のコンデンサの容量精度とあまり変わらないという見方もできるので、その意味では置き換えができる範囲にあります。しかし、F、Z5V、Y5U、など[C]のグループは、温度に対する容量の変化率が極めて大きくなっています。数ある電子部品の中で定数がこれほど変化するものは、他にないと言えるほどの値です。したがって、このグループの積層セラミックコンデンサが使えるのは、電源の平滑やデカップリングなど、容量に対してラフな回路部分に限られます。図7に、他のコンデンサとの比較を示しました。