- 発行日 2024年4月26日
- 最終変更日 2024年4月26日
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RAM(ランダムアクセスメモリ)とは?用途やROMやストレージとの違いについて解説
RAMとはコンピュータに実装される、データを一時的に保持しておくための記憶装置です。ROMやストレージと混同されることもありますが、それらは別物です。この記事ではRAMの概要や種類、容量ごとの利用シーンについて解説します。

RAMとは?
RAMとはRandom Access Memory(ランダムアクセスメモリ)の略で、コンピュータを構成する部品の一つです。メインメモリや単にメモリと呼ばれることもあります。
RAMはコンピュータが実行しているプログラムやそのプログラムを実行する際に必要なデータを、一時的に保存しておく記憶装置です。
コンピュータの頭脳部分であるCPUやGPUと頻繁にデータのやりとりをしています。
RAMはコンピュータの処理を高速にするために非常に重要で、RAMが高速でデータを読み書きできるからこそコンピュータが高速で演算できると言っても過言ではありません。
RAMの位置付けを簡単に表現すると、プログラム処理のための一時的な作業スペースです。
ROMやストレージとの違い
RAMに似ている単語として、ROMやストレージなどが挙げられます。
確かに、RAMやROM、ストレージは全て記憶装置であることに間違いはないのですが、実際には用途が大きく異なります。
この章では、ROMとストレージについてRAMと何が違うのかを解説します。
ROMとの違い
ROMはRead Only Memory(リードオンリーメモリ)の略で、読み出し専用のメモリとなっています。
コンピュータの動作に必要な基本的なプログラムが格納されており、ROMからプログラムを読み出すことで実行できます。
その名の通り、ROMは読み出ししかできず、ユーザーが新規でデータを書き込むことはできません。
また、RAMは電源が切れると保存されていたデータも消去されてしまう揮発性メモリですが、ROMは電源が切れてもデータは保持されたままの不揮発性メモリです。
ROMはコンピュータだけでなく、ゲームソフトや組み込みシステムにも利用されます。
ストレージとの違い
ストレージは主記憶装置のことで、HDDやSSDのことを指します。ストレージは大量のデータを保存でき、電源を切ってもデータが消えることはありません。
また、データの読み書きが可能であるという特徴があります。
ストレージはRAMに比べて読み書き速度が遅いことがデメリットですが、一般にRAMよりも大量のデータを保存できる点において優れています。
RAMの種類

RAMにはいくつかの種類があり、それぞれで特性が異なります。この章ではRAMの種類について解説します。
DRAM
DRAMはRAMの中では比較的低コストですが、アクセス速度は他のRAMと比べて遅いという特徴があります。
データを保持し続けるために定期的に電力を供給し直すこと(リフレッシュ)が必要で、この作業を数ミリ秒ごとに行うことによってデータを保持しています。
SRAM
SRAMはDRAMよりも高価である分、読み書き速度が高速であるという特徴があります。
また、DRAMのようにリフレッシュは必要なく、電力が供給されている限りデータを保持できます。
SRAMはコストが高いため、全てのメモリをSRAMにするのではなく、DRAMとSRAMを組み合わせてコンピュータに実装しているケースが多いです。
SDRAM
SDRAMはDRAMの処理速度を高速化したRAMです。
さらに、SDRAMを改良した、DDR SDRAMやDDR2 SDRAMなどDRAMには数多くの派生系があります。
RAMの容量ごとの利用シーン
RAMの容量別にどのようなタスクであれば実行できるのかについて解説しています。
※こちらに記載されている情報はあくまでも一般的なものであり、必ずその容量でなければ実行できないというわけではありません。
4GB
4GBのRAMのコンピュータでは、ウェブブラウジングや文書作成など簡単なタスクなら実行できる可能性があります。
一方で、最近では4GB以下のRAMだとOSの動作にも影響が出てしまうという意見もあるため、最低でも8GBはあった方が良いかもしれません。
8GB
文書作成やメールの送信、ウェブブラウジングなど、一般的な事務作業は8GBのRAMで問題なく動作するでしょう。
また、画像編集や動画の再生など少し負荷がかかるタスクも実行できます。
16GB
16GBのRAMでは、プログラミングや動画編集、ウェブアプリ開発などのタスクをスムーズにこなすことができます。
最近のコンピュータでは、16GBのRAMを搭載しているものが主流となりつつあります。
32GB
3Dモデリングやエフェクトを多用する動画編集、機械学習など大量にデータを保持しなければならないタスクであれば、32GB以上のRAMがあると安心です。
一般に、ハイエンドのコンピュータでは32GB以上のRAMが搭載されていることがあります。
RAMの容量が小さいとコンピュータの動作が遅くなる可能性がある
RAMの容量はコンピュータの動作速度に大きく影響します。
RAMはコンピュータが処理に必要なデータをリアルタイムで配置する場所であり、この場所に余裕がなくなってしまうと、前のデータが消えないと次のデータを配置できないという問題が発生します。
逆にRAMの容量が大きいと、様々なプログラムのデータを同時に配置しておくことができるため、コンピュータの動作はスムーズです。
RAMの容量は大きければ大きいほどマルチタスクにプログラムを実行できるため、容量は余裕を持って確保しておくほうがいいというのは正しいですが、ハードウェアの制約により搭載できるRAMには上限があることもあります。
まとめ
この記事ではRAMについて解説しました。
RAMはコンピュータのメインメモリで、一時的にデータを保持するための記憶装置です。
RAMにはいくつかの種類があり、特徴も異なります。実際には二つのRAMを組み合わせてコンピュータに実装するケースもあります。
コンピュータを快適に動作させるためには、RAMの容量に余裕を持つことがポイントです。