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    ADSLに使われる「スプリッタ」とは?役割・使い方について解説!
     
      • 発行日 2024年2月26日
      • 最終変更日 2024年4月5日
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    ADSLに使われる「スプリッタ」とは?役割・使い方について解説!

    スプリッタは、家庭用インターネット「ADSL」において必要な電子機器であり、電話機とモデムにそれぞれ接続されています。当記事では、スプリッタの概要から使い方などを解説します。

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    スプリッタとは

    スプリッタとは、一つの信号を複数に分岐させる装置のことを指します。その名称は英語の'splitter'(分裂させるもの)に由来しており、DSLフィルタや周波数分波器とも呼ばれています。 

    スプリッタは、一つのアナログ電話回線から伝送されてくる信号を「電話用」及び「インターネット用」に分けて送出する目的で開発されました。現在では光電話やIP電話が普及していますが、従来の電話回線はアナログ信号を用いていました。 

    ADSLではデジタル信号を用いるため、音声を「0」「1」の2進数のデジタル信号に変換する必要があります。この際、アナログとデジタルの信号をスプリッタで分岐させることで、同一の回線でそれぞれの機能を利用することが可能になります。 

    スプリッタはインターネットから電話機への信号の送信も可能で、低周波信号と高周波信号の合成を行います。このため、混合器としても利用されることがあります。 

    スプリッタとディバイダの違い

    高周波用の分配器としては、スプリッタとディバイダがあります。 

    スプリッタは、信号を単方向で分岐するために使用され、その回路には各分岐ポイントに直列に抵抗が接続されます。これにより、スプリッタはポート1から入力された信号を、ポート2やポート3に反射せずに伝送することができます。 

    ただし、スプリッタのデメリットとしては、ポート1以外の入力インピーダンスが整合していないため、ポート2やポート3から入力した場合の反射が大きくなる点があります。 

    一方で、ディバイダはスプリッタからさらに抵抗が追加された回路で、どのポートから信号を入力しても他の端子に対して等しく信号が分配される特性を持ちます。 

    これにより、ディバイダは信号を合成するコンバイナとしても使用でき、2つの信号を合成して1つのポートから出力することが可能です。 

    スプリッタの役割

    スプリッタの主要な機能は、電話回線をアナログとデジタルの周波数帯域に分割することです。これにより、一つの電話回線を通じて通話とインターネット接続を同時に行うことができます。具体的には、スプリッタは低周波を電話機へ、高周波をADSLモデムへと送信します。 

    これにより、通話とインターネット接続が同時に行われても、お互いに干渉せずに通信が可能となります。このため、スプリッタはDSLフィルタや周波数分波器とも呼ばれます。 

    また、スプリッタとモデムを一つの装置に統合したものも存在し、これによって設置作業が簡単になります。しかし、ADSLは2023年までに廃止され、2025年にはアナログ回線全体が廃止される予定です。そのため、スプリッタの役割も徐々に変わってくることが予想されます。 

    スプリッタの使い方

    スプリッタは三つの接続端子を持っています。 

    それぞれ、電話回線側(Phone端子)、モデム側(Modem端子)、そして加入者線から来る配線側(LINE端子)に配線ができます。 

    特に、Phone端子はファクシミリに接続し利用することが可能です。スプリッタが内蔵されているモデムを使用する際には、電話機もモデムに接続する必要があります。

    ただし、スプリッタ自体が単独で作動するものではなく、いくつかの周辺機器が必要となります。その中でも、もっとも必要不可欠なのがADSLモデムです。 

    モデムは、信号をインターネットに適したデジタル信号に変換するために使用します。スプリッタで分割されたデジタル信号がモデムに届いて初めて、パソコンにネット回線が届きます。

    スプリッタの将来展望

    スプリッタは、ADSLなどのxDSL方式でデータ通信を行う際に、低周波の音声信号と高周波のデータ信号を分離・合流するために使用される装置です。 

    しかし、通信業界は大きく進化しており、ADSLのような古い技術は次第に廃れていくことが予想されます。これにより、スプリッタのような装置の役割も変化していくでしょう。 

    日本の通信業界では、5Gのロールアウト、カーボンニュートラルの実現、シェアリングエコノミーの浸透、キャッシュレスサービスの普及など、多くの変化が起こっています。 

    これらの進展は、通信インフラやそれに関連する技術、装置への新たな要求を生み出しており、スプリッタのような従来の技術には新たな適応が必要になるかもしれません。 

    具体的には、既存の通信技術から新しい無線通信技術への移行や、データトラフィックの増大などが通信業界全体の動向に影響を与えると予想されます。 

    このような変化は、スプリッタのような従来の通信設備の需要や機能にも影響を及ぼす可能性があります。今後は、このような通信技術の進化や市場動向に注意を払いながら、スプリッタのような装置の将来の役割について考える必要があるでしょう。 

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    まとめ

    スプリッタは、一つの信号源から複数の出力へ信号を分配する装置で、ADSL接続において重要な役割を果たします。 

    スプリッタは、インターネットと電話サービスが共用されている電話線から、データ信号と音声信号を分離するために使用されます。これにより、インターネット接続を使用しながら同時に電話を利用することが可能になります。 

    また、電話機からの低周波信号とDSLモデムからの高周波信号を混合して電話回線に送る機能も備えており、通話時のノイズ発生やモデムの通信障害を防ぐことが可能です。 

    しかし、ADSLは2023年までに廃止され、2025年にはアナログ回線全体が廃止される予定です。ADSL回線で使用されているスプリッタは、光回線やモバイル通信技術には必要ないため、その需要が減少することが予想されます。 

    これにより、通信技術の移行は、スプリッタのような従来の通信設備の役割や市場にも影響を及ぼすことになり、スプリッタの役割も徐々に変わってくるでしょう。 

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