- 発行日 2023年6月1日
- 最終変更日 2026年9月9日
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ドライバーとは?主な種類と特徴、使用方法を解説
ドライバーとは、ねじ頭部の溝や穴に刃先を合わせ、ねじを締め付けたり緩めたりするための工具です。この記事では、主なドライバーの種類や、刃先の形状や用途によって異なるドライバーの特徴、基本的な使用方法について解説します。

ドライバーとは
ここでは、ドライバーの基本的な役割や種類を解説します。
ドライバーの役割
ドライバーとは、ねじ頭部の溝や穴の形状やサイズに合った刃先を合わせ、回転力を伝えてねじを締め付けたり緩めたりするための工具です。家具や家電製品、自動車、自転車など、さまざまな製品にねじが使われており、組み立てや修理などでドライバーが使用されます。
ドライバーの種類
ドライバーには、ねじ頭部の溝や穴の形状に応じて、プラスドライバーやマイナスドライバー、Torx(トルクス)ドライバーなど、さまざまな種類があります。また、手動式のほかに、モーターでねじを締めたり緩めたりする電動ドライバーもあります。用途や作業内容に応じて、ねじに適合するドライバーを選ぶことが重要です。
ドライバーの使用方法
ここでは、ドライバーの使用方法と、ねじを傷めずに作業するための基本的なポイントを解説します。
ねじに合ったドライバーを選ぶ
ドライバーを使用するときは、ねじ頭部の溝や穴の形状・規格・サイズに合った刃先を選びます。合っていないドライバーを使うと、刃先が適切にかみ合わず、ねじ頭部を傷めたり、うまく回せなかったりすることがあります。
刃先をねじ頭部に合わせ、適切にかみ合っていることや、大きながたつきがないことを確認してから回します。
ねじに対してまっすぐ当てて回す
ドライバーは、ねじの軸に沿ってまっすぐ当て、ぶれないように安定させて回します。特にプラスねじでは、刃先が浮き上がるカムアウトを防ぐため、適度に押し付けながら回すことが重要です。
ドライバーを斜めに当てたり、押し付ける力が不足したりすると、刃先がねじ頭部から外れ、溝や穴を傷めることがあります。
対象物を安定させて使用する
ねじを締め付けたり緩めたりする対象物は、安定した場所に置くか、必要に応じて固定します。片手に対象物を持ち、もう一方の手だけでドライバーを操作すると、軸がぶれやすくなります。
必要に応じて片手を軸に軽く添え、もう一方の手でグリップを回すなど、ドライバーを安定させて操作します。
ねじとドライバーの組み合わせ
ねじを締め付けたり緩めたりするときは、ねじ頭部の溝や穴の形状・規格・サイズに合ったドライバーを使用することが重要です。例えば、H形(Phillips)とZ形(Pozidriv)の十字穴は外観が似ていますが、形状が異なるため、それぞれに適合するドライバーを使用します。
H形用とZ形用のプラスドライバーは、刃先の形状が異なります。
プラスねじとプラスドライバーの組み合わせが適切でないと、次のような不具合が生じることがあります。
- ねじに回転力を適切に伝えられない
- ねじ頭部の十字穴を傷め、バリが生じる
- ねじ頭部の十字穴をなめ、ドライバーがかみ合わなくなる
このような不具合を防ぐため、形状が似ていても代用せず、ねじに適合するドライバーを選ぶことが重要です。
プラスねじとプラスドライバーの種類と規格
プラスねじの頭部形状や十字穴の形状・サイズには、さまざまな種類があります。ここでは、プラスねじの十字穴と、それに対応するプラスドライバーについて説明します。
プラスねじの種類
プラスねじの頭部には、なべ、皿、トラスなど、さまざまな形状があります。また、頭部に設けられた十字穴にも複数の形状があります。JIS B 1012:1985では、ねじ用十字穴をH形、Z形、S形の3種類に区分しています。
- H形:ねじの呼びM1.6以上の一般用ねじ部品に用いられる十字穴で、PH形(Phillips/フィリップス)ドライバーに対応します。
- Z形:ねじの呼びM1.6以上の一般用ねじ部品に用いられる十字穴で、PZ形(Pozidriv/ポジドライブ)ドライバーに対応します。
- S形:ねじの呼びM2以下のねじ部品や、M3以下の小頭のねじ部品に用いられる十字穴です。
※画像内の「JCIS 8-70準拠」および日本写真機工業規格に関する記載は、旧規格に基づく表記です。JCIS 8-70は2020年に廃止され、現在はこれを基に関係寸法などを見直したCIPA AD-001-2020「精密機器用ねじ十字穴(0番)」が制定されています。
このほか、Supadrivに対応するねじやドライバーもあります。Supadrivは、JIS B 1012:1985では独立した種類として規定されていません。使用する際は、ねじとドライバーの仕様を確認します。
※画像内の「H型」「Z型」は、本文の「H形」「Z形」に相当します。
プラスドライバーの種類
JIS B 4633:1998「十字ねじ回し」では、H形・S形の十字穴に用いる十字ねじ回しが規定されています。また、附属書1(規定)ではPH形・PZ形の十字ねじ回しが規定され、PH形はH形、PZ形はZ形の十字穴に使用します。
精密機器用の0番ビットについては、CIPA AD-002-2020「精密機器用十字ねじ回しビット(0番ビット)」で形状・寸法などが規定されています。
H形の十字穴に使用するプラスドライバーのサイズは、ねじの呼びだけでなく、頭部形状や製品仕様などによっても異なります。
※画像内の「No.01」「No.02」「No.03」は、JIS B 4633:1998の呼び番号表記とは異なります。同規格では、H形ねじ回しは1番~4番、附属書のPH形は先端サイズ0~4で規定されています。表の対応関係はあくまで目安とし、実際に使用する際は、ねじ頭部と工具の仕様を確認してください。
ドライバーの種類と特徴
ドライバーの特徴は、対応するねじ頭部の溝や穴の形状のほか、用途や機能によって異なります。主な種類には、プラスドライバー、マイナスドライバー、Torx(トルクス)ドライバー、絶縁ドライバー、精密ドライバーなどがあります。そのため、ねじの種類や作業内容に応じて、使用するドライバーも異なります。
※画像は代表的な刃先形状の例です。画像内には旧表記や本文と異なる表記が含まれるため、各形状や規格については本文の説明を参照してください。画像内の説明には簡略化された表現も含まれており、各駆動形状の互換性や性能上の優劣を一律に示すものではありません。

ドライバー各部の名称
ドライバーは、主に次の3つの部分で構成されています。
- 柄(グリップ)
- 軸(シャフト)
- 刃先(ドライバービット)
ドライバーの柄(グリップ)
柄(グリップ)は、ドライバーを握る部分です。平らな面に置いたときに転がりにくい形状が一般的で、握りやすさを考慮した設計のものもあります。材料にはセルロースアセテートなどの硬質樹脂が使われるほか、製品によっては、滑りにくさや握りやすさを高めるため、熱可塑性ゴムなどの柔らかい素材を組み合わせたものもあります。
ドライバーの軸(シャフト)
ドライバーの軸(シャフト)には、力を加えたときの曲がりやねじれに耐えられるよう、一般に鋼が使用されています。軸には丸軸や六角軸などがあり、製品によっては、六角軸や、軸の根元の六角部にスパナやレンチを掛けて、補助的にトルクを加えることができます。
刃先(ドライバービット)
ドライバーには、刃先と軸が一体になったものと、ビットを交換できるものがあります。交換式のビットは、対応する差替式ドライバーなどに取り付けて使用します。
刃先やドライバービットには、製品や用途に応じて、工具鋼や合金鋼などの金属材料が使われます。また、材料や製品仕様に応じて、成形・機械加工、熱処理、表面処理などを組み合わせて製造されます。
※画像はドライバービットに使用される材料の例を示した参考表です。高速度工具鋼(HSS)は工具鋼の一種です。また、画像内に示された材料特性は一律に当てはまるものではなく、材質の種類や組成、熱処理、製品仕様などによって異なります。
刃先・ドライバービットの加工・処理の例
1. 成形・機械加工
鍛造などで材料を成形したり、切削や研削によって刃先を所定の形状に加工したりします。製造方法は製品によって異なります。
2. 熱処理
鋼製の刃先やビットでは、必要な硬さや靱性を得るため、焼入れ・焼戻しなどの熱処理が行われることがあります。
3. 低温処理
製品によっては、熱処理の一環として、焼入れ後などに材料を低温まで冷却する処理が行われることがあります。こうした処理は材料組織や特性を調整するために用いられますが、すべてのドライバービットに用いられる工程ではありません。
※画像は低温処理のイメージです。
4. 表面処理
製品によっては、防錆や耐摩耗性の向上を目的として、めっきや各種コーティングが施されます。また、ダイヤモンド粒子によって摩擦を高め、ねじ頭部からの滑りを抑えるビットもあります。
※画像は粒子を用いた表面処理のイメージで、ドライバービットそのものを示したものではありません。



