化合物半導体の特徴
化合物半導体は、結合させる元素の組み合わせによって多様な半導体を製造可能です。主に「光デバイス用途」と「電子デバイス用途」に分類され、それぞれが優れた性能を発揮します。
共通する特性として、高速であることが挙げられます。電子の移動がシリコンに比べて迅速であり、これによって高速演算・信号処理が可能です。
また、特筆すべきこととしてバンドギャップが大きいことが挙げられ、これによりワイドバンドギャップ半導体とも呼ばれます。大きなバンドギャップは電流の流れを容易にする上に、高電圧・高電流下での耐性に優れています。よって、化合物半導体は特に高周波帯での使用が可能です。
シリコン半導体とは異なり、耐熱性に優れているため、電子デバイスや工業用途、宇宙航空産業にも使用されています。
光デバイスとしても優れており、LEDやレーザーでの使用が一般的です。効率の良さと低消費電力により、スピーディーで効率的な機能を実現します。
また、磁気に反応する特性を持つため、各種磁気センサとしても活用されています。
しかし、化合物半導体が一般化していない理由がいくつかあります。結晶生成時に欠陥が発生しやすい、ウェハーの大口径化が難しい、使用される元素の単価が高いなどです。
以上のような課題があるにもかかわらず、高性能半導体への需要は増加しており、各国で生産体制や出荷体制が整備されています。将来的には市場規模が拡大すると予測され、化合物半導体がますます身近な存在となることが期待されています。