アクティブフィルタの選び方
—— それでは、アクティブフィルタの選び方のポイントについて見ていきましょう。
上限周波数を考慮して選ぶこと
CRアクティブフィルタを選ぶ際には、まず周波数の上限を考慮して選ぶことが大切です。アクティブフィルタが対応する上限周波数を超えてしまった場合、信号が少なくなってしまうことがあります。特にHPFとBEFでは上限周波数を超えると急激に信号が減退するため、HPFとBEFを使用する際には特に注意したいポイントです。
またLPFで上限周波数を超えた場合、信号の減衰が少なくなり予測していた減衰量とならないこともあります。いずれの種類のアクティブフィルタを選ぶ場合でも、信号帯域を確認して上限周波数を超えないように選びましょう。
フィルタ応答から選ぶ
フィルタ応答の特性から選ぶこともCRアクティブフィルタ選びのポイントのひとつです。代表的なフィルタ応答の特性は次のとおりとなります。
- チェビシェフ:ロールオフ特性に優れているが、通過帯域か阻止帯域にリップルが現れることがある
- バタワース:通過帯域にはリップルがないものの、減衰量の傾きが小さくロールオフ特性が緩やか
- ベッセル:幅広い周波数帯域において周波数応答がフラットだが、ロールオフ特性は緩やか
- エリプティック:ロールオフ特性に大変優れるが、通過帯域と阻止帯域にリップルが現れる
- ルジャンドル:ロールオフ特性に大変優れるが、通過帯域において減衰量が大きい
以上のようなフィルタ応答の特性により選ぶと、アクティブフィルタの設計の際に役立つはずです。
発熱の大きさにより選ぶ
CRアクティブフィルタを選ぶ際には、発熱の大きさも考慮することが必要です。アクティブフィルタの使用には電力源が必要となりますが、内部の部品に電気が流れると発熱します。発熱量は高周波数帯域に対応するアクティブフィルタほど大きくなるため、必要とする信号帯域を把握して、電流量が最適なものを選び発熱を避けるようにしましょう。