半導体パッケージにはさまざまな規格がありますが、半導体パッケージにはどのような役割があるのでしょうか。半導体パッケージが持つ5つの役割について解説します。
半導体チップを保護すること
半導体パッケージには、半導体チップの保護をするという役割があります。半導体チップや電子回路は非常に繊細で、水分や湿気、塵、衝撃、光、磁気などの外部からの影響により損傷したり、不具合を起こしたりする可能性も否定できません。半導体チップや電子回路が不具合を引き起こせば電気製品の故障につながるため、樹脂製パッケージに入れることにより外部環境からのさまざまな影響から半導体チップを守り、正常に作動できるようにしています。
外部との接続や通信を可能とすること
半導体パッケージの大きな役割として、外部との接続や通信を可能にすることが挙げられます。半導体パッケージにはんだボールやリードフレームなどの端子が設けられており、外部との接続や通信ができる仕様です。半導体チップや電子回路は半導体パッケージの端子を通じて外部からの接続や通信に対応し、処理をした結果を信号として外部へと送り出します。もちろん、電源供給や電気の入出力も半導体パッケージを通じて行われます。半導体パッケージは内部と外部の接続・通信を容易にするためにも役立つパーツです。
半導体チップの放熱させること
半導体パッケージはシリコンチップの放熱にも役立っています。シリコンチップは作動する際に発熱しますが、あまりに高温になると不具合を起こすことがあります。半導体パッケージはヒートスプレッダーにより内部にこもった熱を外部に排出し、動作保証温度範囲内に保持する働きを持つことから、シリコンチップが発した熱を逃して正常に作動させるために欠かせません。
実装性を高めること
回路の実装性を高めることも半導体パッケージの役割です。実装する際に回路のカバーがなくそのままの状態であれば扱いにくく実装性が低くなってしまうため、樹脂製パッケージの中に入れて取り扱いやすい形状を実現させています。また、端子が設けられているためプリント基板への実装もしやすく、電子回路の実用性を考える際に半導体パッケージはなくてはならないものだと言えるでしょう。パッケージがなければ非常に精細に作られた回路を傷つけてしまったり、損傷させてしまったりすることもあるかもしれません。半導体パッケージは保護や安全性を高めるだけでなく、実装性を高めるための役割も果たしています。
性能の高いデバイスに低コストで対応すること
性能の高いデバイスへの実装に低コストで対応することも役割のひとつ。半導体パッケージを活用すれば機能の異なる半導体チップをひとつにまとめることができるため、さまざまなデバイスに対応できる性能の高さを実現できるようになります。通常、複数の半導体チップをまとめるとコストが格段に高くなる傾向がありますが、複数の半導体チップをパッケージにより単一チップとして取り扱えるようになれば低コストでの実装も可能。複数の半導体チップを用いた性能の高いチップを低コストで提供するためには、単一チップのように半導体チップをまとめるための半導体パッケージが必要です。