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    MUX(マルチプレクサ)とは?機能や種類、選び方について分かりやすく解説
     
      • 発行日 2024年3月25日
      • 最終変更日 2024年3月25日
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    MUX(マルチプレクサ)とは?機能や種類、選び方について分かりやすく解説

    MUXとは論理回路の一種で、複数入力を受け取って一つの出力に変換する部品です。 この記事ではMUXの概要から詳しい仕組みについて分かりやすく解説したうえで、それらの種類と選び方について説明します。

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    MUX(マルチプレクサとは?)

    MUX(マルチプレクサ)とは、論理回路の一種で、複数の信号を受け取り、処理を行ったあとに一つの信号を出力する(これを多重化という)回路です。

    一般的にはマルチプレクサはMUXと表記されることが多いですが、時としてMPXと表されることもあります。日本語では「多重変換装置」「合成器」といわれます。

    アナログ回路でも、デジタル回路でも、複数の信号を同時に処理することは普通です。しかし、信号を受け渡すための伝送路には限りがあるため、MUXを用いてうまく処理することで最適な回路設計を行えるのです。

    一方で、受け取った一つの信号を複数の信号に変換しなおす回路のことをデマルチプレクサといいます。

    MUX(マルチプレクサ)の仕組み

    この章ではMUX(マルチプレクサ)の仕組みについて、論理回路の基礎から解説します。

    組み合わせ回路と順序回路

    論理回路は大きく2種類に分類することができます。「組み合わせ回路」と「順序回路」です。

    組み合わせ回路は入力によって出力信号が不変的に決定します。それに対して、順序回路は記憶や同期する機能を持ち合わせるため、入力信号だけで出力信号が決まりません。

    MUXは入力信号のみによって出力信号が決定するため、組み合わせ回路の一種だと言えます。

    組み合わせ回路は、論理素子であるANDやOR、NOTなどの素子を複数個組み合わせることによって実現できます。

    論理素子を組み合わせて信号を切り替え

    論理素子とは、入力に対して特定の演算を行ったうえで出力する電子部品です。

    例えば、AND回路は複数の入力端子全てに信号が入力された場合にのみ、出力信号を出力するような回路です。一方で、OR回路は複数の入力端子のうち、最低一つでも信号が入力された場合に、出力信号を出力するような回路となります。

    このような部品を組み合わせることで、複数の信号を受け取り任意の信号に切り替えて出力するMUXも実装することができます。

    入力を増やすこともできる

    回路の構成を工夫することで、入力信号は2つのみならず、4つや8つなどに増やすこともできます。回路設計の都合上、2のn乗(nは整数)個単位で入力端子が増えることになります。

    例えば、入力端子が8つでその中から1つの信号を選択する場合、8対1のMUXと呼ぶこともあります。

    いくつの信号を同時に処理したいかは目的によって異なるため、適切なMUXを選択するべきです。

    MUX(マルチプレクサ)の種類

    この章ではMUXの種類について解説します。

    アナログ用MUX

    アナログ用MUXはアナログ信号を処理するために用いるMUXです。アナログ信号とは電流や電圧、音声信号など連続的に変化する信号のことを指します。

    連続的な信号を処理するために、高い精度が求められる場合があります。

    入力されるアナログ信号が微弱な場合には、オペアンプなどで増幅したり、波形を整えたりする処理も同時に行われることがあります。

    デジタル用MUX

    デジタル用MUXはデジタル信号を処理するために用いるMUXです。

    デジタル信号とは、離散的なデータ(飛び飛びの値を持つデータ)で表現される信号です。0と1のみで表現されることもデジタル信号の大きな特徴です。

    デジタル信号は、データの劣化に強く、低消費電力を実現できるメリットがあります。

    デジタル信号は0と1のみでデータが表現されることから、通常はデジタル用MUXに増幅器などは付加されません。

    アナログ用MUXを利用するか、デジタル用MUXを利用するかは対象とするデータの特徴によって決まります。

    デマルチプレクサ

    MUX(マルチプレクサ)は複数の入力信号を一つの出力信号とする回路ですが、一方で一つの信号から複数の信号に分割する「デマルチプレクサ」も存在します。

    一つの大きな信号を分割して処理することで、具体的なニーズに対応する信号に変換します。

    例えば、スマートフォンではデータを一本化して通信を行いますが、実際にデータを利用する際には「動画をみる」「ゲームをする」「メッセージをやり取りする」のようにユースケースが異なります。

    このようなシーンではデマルチプレクサが活躍します。

    MUX(マルチプレクサ)を選ぶ時のポイント

    この章ではMUX(マルチプレクサ)を選ぶ際のポイントを紹介します。

    制御したい信号の種類を確認する

    前述の通り、信号にはアナログ信号とデジタル信号があります。どちらの信号を処理したいのかによって選択するMUXは異なります。

    利用目的を明確にしたうえでデータに合ったMUXを選ぶようにしましょう。

    どのくらいの品質を要求するか

    どれくらいの品質を要求するかによって選択するMUXは異なるでしょう。

    例えば、限られたリソースの中で実装する場合には低消費電力のMUXを選択するべきですし、出力信号の精度を担保したい場合には高い品質のMUXを選択するべきです。

    実際にMUXを実装するとなったとき、金銭面とハードウェア的な制約を課されたうえで選択することになるはずです。

    その制約の中で最も適切なものを選択することをおすすめします。

    用途や環境条件に適するか

    MUXをどのような環境で利用するかによっても選ぶべきものが異なります。例えば、屋外での使用を想定しているのか、屋内だけなのか、といった具合です。

    耐久性などもMUXによって異なりますので、利用シーンも想定して選択する方が良いでしょう。

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    まとめ

    この記事ではMUX(マルチプレクサ)の仕組みや種類について解説しました。

    MUXとは複数の入力を受け取り、一つの出力にするものです。この機能を多重化といいます。

    MUXは組み合わせ回路の一種であり、入力によって出力が決定します。回路構成を工夫することで入力を増やしたり、特定の機能を追加したりすることもできます。

    MUXは複数の種類があるので、目的に合ったMUXを選択するために、扱う信号の種類や出力の品質、利用用途などを確認するようにしましょう。

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