• 発行日 2023年10月19日
    • 最終変更日 2026年9月9日
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プログラマブルロジックデバイスとは?PLDの種類とメリット

プログラマブルロジックデバイスとは、製造後に利用者が論理機能を設定できる集積回路(IC)です。

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標準的なデジタル電子回路では、一度機能が配線されプログラムされると、物理的に調整しない限り変更することはできません。しかし、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)を使用すれば、物理的な変更を加えることなく、異なる動作をするように再構成することができます。

論理機能が固定された集積回路では、製造後に内部の回路構成を変更できません。一方、プログラマブルロジックデバイス(PLD)を使用すれば、回路基板の物理的な構成を変えずに、デバイス内の論理機能を設定できます。

これにより、デジタル回路の柔軟性が高まり、必要な機能を効率よく実装できます。そのため、PLDはさまざまなデジタル回路や電子機器で利用されています。

この記事では、PLDのメリットと種類を紹介し、PLDを用いた回路設計の基本的な流れも解説します。

プログラマブルロジックデバイスとは

PLDは、論理回路を構成する要素を内蔵し、製造後に利用者がその機能を設定できる集積回路です。内部構成はデバイスの種類によって異なり、例えば、フリップフロップ、ANDゲート、ORゲートなどを備えるものがあります。

なお、この記事では、PROMやSPLD、CPLD、FPGAなどを含む広い意味で「PLD」という用語を使用します。

PLDを組み込んだ回路では、デバイスの設定を変更することで、基板上の配線や部品を変えずに論理機能を更新できる場合があります。ただし、書き換えの可否や方法はデバイスの種類によって異なり、一度しか書き込めないワンタイムプログラマブル(OTP)方式の製品もあります。

PLDの論理機能を設計する際は、対象のデバイスに対応した設計ツールを使用します。ハードウェア記述言語(HDL)や論理式、回路図などを用いて論理回路を設計し、その内容を基に、デバイスの設定に用いるプログラミングファイルやビットストリームなどを生成します。

PLDのメリット

PLDは、複雑な回路から比較的単純な回路まで、幅広く利用されています。主なメリットは次のとおりです。

  • 基板上の配線や部品を変えずに論理機能を設定でき、書き換え可能な製品では後から機能を更新できる
  • 用途に応じて論理機能を構成し、回路をカスタマイズできる
  • 複数の固定機能ICを1つのPLDに集約できる場合、部品点数や基板面積を削減でき、構成によっては消費電力を抑えられる
  • 部品点数や基板上の接続点が減ることで回路が簡素になり、信頼性が向上する場合がある
  • 書き換え可能なPLDでは、ハードウェアを作り直さずに論理機能を変更できるため、設計変更や試作を効率よく進められる

こうした特長から、PLDは通信機器、制御システム、民生用電子機器など、さまざまな用途で利用されています。

PLDの種類

回路の要件に応じて、PLDの種類を適切に選ぶ必要があります。PROM、PLA、PALでは、内部のANDアレイとORアレイのうち、固定されている部分とプログラム可能な部分が異なります。

  • プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)は、固定ANDアレイとプログラム可能なORアレイを備えています。固定ANDアレイは、一般に入力信号の組み合わせをデコードする役割を担います。
  • プログラマブルロジックアレイ(PLA)は、ANDアレイとORアレイの両方をプログラムできます。そのため、PALよりも論理機能を柔軟に構成できます。
  • プログラマブルアレイロジック(PAL)は、プログラム可能なANDアレイと固定ORアレイを備えています。

いずれもブール関数を実装できますが、各アレイが固定かプログラム可能かによって、実現できる論理機能の範囲が異なります。

なお、PLAやPALは一般にSPLDに含まれます。以下では、内部構造や論理規模の異なるSPLD、CPLD、FPGAについて、それぞれの特徴を説明します。

SPLD

シンプルプログラマブルロジックデバイス(SPLD)

シンプルプログラマブルロジックデバイス(SPLD)は、PLDの中でも比較的小規模で、構造が単純です。PLAやPALなどが含まれ、複数の論理機能を組み合わせた回路も実装できます。そのため、通信インターフェースやデジタル表示回路、タイミング制御回路などに利用されています。

CPLD

コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)

コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)は、複数のマクロセルからなる論理ブロックと、それらを接続するプログラム可能な配線資源で構成されます。一般にSPLDより多くの論理資源を備えており、各論理ブロックの機能とブロック間の接続を設定することで、より大規模で複雑な論理回路を1つのデバイスに実装できます。

FPGA

フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)

フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)は、構成可能な論理ブロック、プログラム可能な配線資源、入出力(I/O)ブロックなどで構成されます。論理ブロックは一般に格子状に配置され、配線資源を介して論理ブロック同士やI/Oブロックに接続されます。

I/Oブロックは外部との信号の受け渡しを担い、対応するI/O端子を入力、出力、双方向などに設定できます。

一般にFPGAはCPLDより多くの論理資源と柔軟な配線資源を備え、より大規模で複雑な論理回路を実装できます。両者を比較する際は、論理規模だけでなく、内部構造や配線方式なども確認する必要があります。

PLDを用いた回路設計の手順

PLDを用いた回路設計の手順は、デバイスの種類や設計ツールによって異なります。一般的な流れは次のとおりです。

  • 回路の要件を整理し、必要な入力と出力を定義する
  • ブール式、真理値表、状態遷移、HDL、回路図などを用いて論理機能を設計する
  • 対象のPLDに対応した設計ツールで、設計内容をコンパイルまたは論理合成し、デバイスに応じて配置配線を行う
  • 設計の各段階で、シミュレーションなどを用いて論理機能を検証し、必要に応じてタイミングも確認する
  • デバイスの設定方式を確認し、製品マニュアルに従って、生成したプログラミングファイルやビットストリームをデバイスへ書き込むか、構成データとして読み込ませる

プログラマブルロジックデバイスとは、目的に応じた論理機能を設定して利用するICです。使用するPLDと設計ツールに応じた手順を確認し、シミュレーションを行うとともに、デバイスの設定後にも動作を確認して、意図したとおりに機能するかを検証することが重要です。

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