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      • 発行日 2024年3月25日
      • 最終変更日 2024年4月5日
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    電源ICとは?機能や使われているところを分かりやすく解説!

    電源ICは電子機器を動かすためになくてはならない存在であり、あまり目立つことはありませんが、身近な部品といえます。この記事では電源ICについて分かりやすく解説します。

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    電源ICとは?

    電源ICとは電気製品を動かすために電圧を共有したり、適切な電力が保たれるように管理したりする機器のことを指します。

    電気製品を動かすためになくてはならない装置であるため、電気製品には必ずと言っていいほど搭載されています。

    電気製品を動作させるためには家庭用コンセントに接続することが一般的ですが、ただ単に電気製品をコンセントに接続するだけでは動作しません。なぜなら、電源には「直流」と「交流」という2つの種類があるからです。

    電気製品は直流電源で動作することがほとんどですが、家庭用コンセントには電力配送のしやすさなどの観点から交流で供給されています。

    つまり、電気製品を動作させるためには交流電源から直流電源への変換が必要となります。こういった機能を提供しているのがまさしく電源ICなのです。

    一方で、交流電源で動作する電気機器も存在します。例えば、ドライヤーや電気ストーブなどです。こういった機器には、電源ICが搭載されていないものもあります。

    電源ICの機能

    この章では電源ICの機能について解説します。

    電圧の変換

    電気製品を動作させるためには、機器それぞれで適切な電圧を印加する必要があります。

    供給された電圧の大きさのままでは適していない可能性もあるので、それを変換する役割を電源ICが担っています。

    もしも電圧を適切な大きさに変換しない場合、電気製品が動作しなかったり、機器が故障したりすることもあり得るので電源ICは重要な部品だといえます。

    電流の制御

    電源ICは回路に適切な大きさの電流が流れるように制御を行います。

    電流の流しすぎを防いだり、特定の動作に必要な電流を担保したりするために機能しています。

    効率的な電力供給

    電源ICによっては、省電力となるように効率的な電力供給を行うものもあります。

    例えば、バッテリーで動作する電気製品の場合、電力を消費し過ぎてしまうと使い勝手が悪くなってしまいます。

    そのような事態を避けるための、適切な電力供給を行う機能を持つ電源ICがあります。

    回路保護機能

    電気製品には安定した電圧を印加して、適切な電流を流す必要があります。それを担保できないと製品の動作が不十分になったり、故障したりしてしまう可能性があるからです。

    機器に入力される電圧が常に一定である場合には過電流など心配する必要はありませんが、実際にはそうではありません。

    入力電圧が変動したとしても一定の出力を保つために、電源ICには回路保護機能が実装されていることがあります。

    また、電源IC自体が発熱し過ぎてしてしまうことを防ぐために、温度検知を行い、一定の温度を超えた場合に回路が停止するような機能を備えているケースもあります。

    電源ICが使われているところの例

    この章では実際に電源ICが使われているところの例を紹介します。

    パソコンやスマートフォン

    パソコンやスマートフォンには様々な電源ICが使われています。

    一般的にパソコンやスマートフォンにはバッテリーが搭載されており、バッテリーから電力の供給を受けることで動作します。

    バッテリーの充電や放電を管理する電源ICや、回路に必要な電圧を適切に変換する機能を持つ電源ICが使われています。

    日常で利用する家電製品

    テレビや冷蔵庫など、日常で利用する家電製品にも電源ICは搭載されています。

    例えば、テレビには一定時間操作がなかったら自動で電源をOFFにするような、省エネモードが備わっています。

    効率的に電力を利用するために、電源ICが適切に電源管理をしているのです。

    また、冷蔵庫は、冷気を供給するためのコンプレッサーやファンなど、いくつもの部品から構成されています。それぞれに適切な電力を供給するために電源ICが機能しています。

    自動車

    電源ICは自動車の至るところでも使われています。自動車の動力源であるエンジンは電子的に制御されていますが、これらの制御機能を提供するための回路には電源ICも含まれます。

    そのほか、安全システムやオーディオ、カーナビシステムにも電源ICが用いられています。

    電源ICの種類

    この章では代表的な電源ICの種類について解説します。

    リニアレギュレータ

    リニアレギュレータはシンプルな電源ICの一種です。

    入力された電圧よりも低い出力電圧を作り出して、出力します。入力よりも大きな電圧を作ることはできませんが、その分安価で入手できることが知られています。

    スイッチングレギュレータ

    スイッチングレギュレータは、入力電圧に依存せず一定の電圧を作る機能を提供する電源ICです。入力電圧よりも高い電圧でも、低い電圧でも作ることができます。

    エネルギーを無駄にすることなく、効率的に電圧を変換することができます。

    効率的に電圧を変換するということは、熱エネルギーなどの余計なエネルギーを生成してしまうことを防ぐため、結果として省エネであることを意味します。

    ただし、一般的にはリニアレギュレータよりも高価である場合が多いです。

    バッテリー充放電管理IC

    電源ICの中にはバッテリーの充放電を管理する役割を持つものもあります。

    バッテリーの動作期間を最大化したり、充電が完了した後にすぐにバッテリーを電源として利用できる状態にしたりと、製品としての価値を高める機能を提供しています。

    このように、電源供給のみならず、製品寿命を伸ばすための電力管理を行ったり、複数の充電方式に対応するように柔軟に変換する機構を備えていたりするものも存在します。

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    まとめ

    この記事では電源ICについて解説してきました。

    電源ICは電子機器の電源管理を行うために必要不可欠な電子部品です。電圧の変換や電流の制御を行うほかに、回路を保護する機能なども備えています。いくつかの種類があり、用途によって使い分けられています。

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