通常のブラシ付きDCモーターでは、端子に電圧が印加され、固定磁石のハウジング(「マグネットケース」)内でコイルを高速回転させます。
この仕組みでは、回転するコイル(「ローター」)が電磁石となり、磁気の引力と斥力の原理に基づいてモーターの中心で高速回転します。
ブラシ(電気接点)と整流子として知られる回転式電気スイッチの組み合わせにより、コイルに流れる電流の方向を素早く交互に変えることができます。これにより、モーターに十分な電圧が供給されている限り、ローターコイルが一方向に回転し続けます。
このタイプの欠点は、電力が遮断されるまで連続回転することです。このため、モータの正確な停止点を制御することが非常に難しく、より精密な制御を必要とする用途には不向きです。モーターへの電源のオン・オフを手動で制御しても、微細で正確な動作を行うために必要な動作精度を得ることはできません。
ステッピングモーターでは、仕組みがまったく異なります。ステッピングモーターは、固定された磁石のハウジング内で回転するコイルローターの代わりに、中心で回転する一連の「歯付き」電磁石の周囲に配置された固定ハウジング(この場合はステーター)で作られています。
ステッピングモーターは、ステッピングモータードライバーによって制御されるパルス電流を、中心軸の周囲で回転する歯車状の部品の1ステップの動きに変換します。
ステッピングモーターの各パルスは、ローターを正確に固定された1回転の増分で動かします。電流がモーター外周に順番に配置されたコイル間で切り替わるため、回転部は必要に応じて全回転または部分回転を行うことができ、また、回転のいずれかのステップで停止させることもできます。
通常のDCブラシ付きモーターに対するステッピングモーターの本当の強みは、既定のな位置や間隔に素早く位置決めし、その位置を必要なだけ保持できることです。このため、ロボット工学や印刷などの高精度用途で非常に役立ちます。