電流センスアンプ(CSA)は、シャント抵抗を利用して電流検出を行うアンプです。シャント抵抗間の電圧はシャント抵抗値にもよりますが通常小さな差電圧となるため、基本的な構成として抵抗を用いたゲイン回路(増幅回路)を内蔵しています。電流検出回路の小型化、高精度化、部品点数の削減などを実現します。
電流センスアンプ・CSAの原理
抵抗間に電流が流れるとオームの法則によって電圧が発生します。電流センスアンプはその抵抗間の電圧を計測することにより、電流を算出することができます。シャント抵抗両端の電圧降下をオペアンプによって増幅させるため、小さな電位差でも大きな電圧として検出できます。
電流センスアンプ・CSAの長所
- 抵抗性ゲイン回路を内蔵しているため、温度やプロセスの変化に対して高い安定性を持っています。
- デバイスの電源電圧範囲を超える入力電圧をサポートするように設計できるため、デバイスの電源電圧に依存しません。
- オフセットが小さて低電流での測定精度を高め、効率よくシステムを稼働させます。
- 数ミリアンペアから数百アンペアまでの電流に対応することができます。
電流センスアンプ・CSAの用途
多くの機械において安全性を確保するためには、電流検出が重要であり、また、効率よくシステムを稼働させるためにも、電流や電力の管理は不可欠です。電流センスアンプは、過電流保護・監視回路、バッテリ寿命インジケータ、DC/DCコンバータ、医療診断機器、ソレノイドやモータの制御、ファクトリオートメーションなど、広範囲な分野で使用されています。