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      • 発行日 2023年2月8日
      • 最終変更日 2023年12月6日
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    個人用保護具(PPE)についてのガイド

    事業を運営する雇用主は、従業員の健康と安全を保護する法的な義務を負っています。従業員が適切な個人用保護具(PPE)を使用できるようにすることが必要です。 この記事では、さまざまな個人用保護具について紹介します。この記事を参考に、作業に最も適した個人用保護具を準備し、従業員の安全を確保してください。

    個人用保護具とは

    個人用保護具(または作業用保護具)には基本的に、保護用バイザーや安全靴など、さまざまなものが含まれます。

    特に作業場や工場など、一部の作業環境は非常に危険なため、個人用保護具を使用することが重要です。適切な訓練を受けた従業員が注意深く作業をすすめても、不慮の事故や機器の故障、ちょっとした不注意が重大な事故の原因となる場合があります。

    よくあるリスクとして、重い物体が手足に落下する、腐食剤が散乱する、物体が落下して散乱し、従業員に直撃するなどの危険があります。空気汚染などの危険度が低そうな問題でも、長期的な視点で考えると非常に危険な場合があります。

    最新の個人用保護具を使用すると、けがのリスクを大幅に下げることができます。従業員が事故を未然に防げるようにしておくことと、防げないような状況を放置するのには、大きな違いがあります。

    雇用主が準備する必要がある個人用保護具

    雇用主には、従業員が危険な環境で作業する際に必要な、作業用保護具を準備する法的責任があります。従業員には、保護具を使用するための適切なトレーニングも必要です。使いやすい場所に保護具を保管することも大切です。毎日の作業で使用しない場合は、従業員がすぐに使える場所に保管しておきましょう。

    また、個人用保護具を定期的に点検し、点検記録を保管して情報を更新しましょう。

    個人用保護具に対する従業員の責任

    雇用主は、危険な環境で作業する従業員に対して適切な個人用保護具を提供し、保護具を使用するためのトレーニングも実施します。その一方で、従業員にも一定の責任が発生します。

    発生する責任は次のとおりです。

    • 実施されたトレーニングに基づいて、安全保護具を適切に使用する。
    • 使用する個人用保護具を適切に手入れし、許可されていない改造や修理を控える。
    • 個人用保護具を使用する前に目視で点検し、不具合やリスクがある箇所(例えば安全服の破れなど)を特定するよう努める。不具合を発見した場合は、すぐに報告する。
    • 従業員が保護具を自宅に持ち帰ることが許可されていない場合は、使用後に指定された場所に返却する。
    • 個人用保護具を紛失した場合はすぐに報告する。これにより、保護具を使用せずに作業するリスクを防ぐ。

    個人用保護具の種類

    個人用保護具にはさまざまな種類があります。日常的に使用する保護具や、特定の環境で使用する保護具があります。たとえば安全服には、安全ヘルメットや、特定の環境で必要な防寒・防水加工の作業着から、視認性の高いジャケットや安全靴など、一般的な用途の作業着もあります。

    ここでは、広く一般的に使用されている個人用保護具をご紹介します。

    PPE Boots and Shoes

    安全ブーツ・安全靴

    貫通を防止する補強された安全ブーツや安全靴は、広く使用されている個人用保護具のひとつです。衝撃や物体の落下、危険な床面から足(特につま先)を保護します。さまざまな強度の安全靴があります。靴底に滑り止めがついている靴を着用することで、事故を未然に防ぐことができます。

    Reusable Respirator

    再利用可能な呼吸用保護具

    呼吸用保護具には一般的に、使い捨て式と再利用可能な保護具があります。 再利用可能な呼吸用保護具は、有毒ガスが発生した現場などの、より危険な環境で必要とされる強力な保護具です。フィルター式と、酸素を供給する給気式があります。

    Face Masks

    使い捨て式マスク

    フェイスマスクは、衛生基準が高い環境や、汚染の影響を受けやすい環境で顔を保護できる使い捨てマスクです。

    PPE Gloves

    個人用保護具の手袋

    個人用保護具の保護手袋を従業員が使用すると、危険な物質の近くで作業するときや、その物質を扱うときに手を保護できます。寒い環境で作業するときに役立つ防寒手袋、感電防止のゴム手袋、やけど防止の防火手袋など、さまざまな種類の手袋があります。

    高い安全性が求められる危険な環境では、袖つきの手袋を使用することをおすすめします。

    最新のISO 13997基準では、刃物を使用して手袋の耐切創性をチェックする試験方法が特定されています。

    disposable gloves

    使い捨て式手袋

    医療や配食業、清掃業などのさまざまな分野で、最も重要な個人用保護具は使い捨て式手袋です。使い捨て式手袋を着用すると、感染や交差汚染のリスクがある物質(化学物質や体液など)を避け、手を保護することができます。色やサイズはさまざまで、原料もニトリルやゴム、ビニールなど多岐にわたります。着用のしやすさを検討して、パウダーフリー手袋とパウダー付き手袋から選択できます。

    Overshoes

    オーバーシューズ

    オーバーシューズは、靴を覆う形で使用する使い捨てカバーです。実験室や食品工場、調理場など、安全性の高い靴ではなく、衛生管理や清潔さが高いレベルで求められるデリケートな環境で使用します。

    High Visibility Clothing

    高視認性作業服

    視認性が高いジャケットやベスト、アームカバーやズボンは、夜間の作業員や、着用者を目立たせることが必要な環境で働く作業員が使用できるように設計されています。

    Ear Defenders

    聴覚保護具

    長期間にわたって聴覚に影響を及ぼす可能性がある騒音が発生するような環境での作業では、聴覚保護具や耳栓が重要な個人用保護具です。適切に装着することが大切です。

    safety-glasses

    視覚保護具

    ゴーグル保護メガネを使用すると、飛来物や化学物質の飛散、ガスや煙から目を保護できるため、けがや失明のリスクを下げることができます。メガネを常時使用している作業者が保護メガネを使用する場合は、度付きレンズを追加できます。詳細については、保護メガネのガイドを確認してください。視覚保護具を適切に装着することが大切です。

    Fall Arrest Harnesses

    墜落防止ハーネス

    安全ハーネスは、足場が不安定な高所での作業が伴う、墜落の危険がある作業者向けに設計されています。ハーネスを使用すると作業者の体重を均一に分散できるため、墜落が発生した際に、脱臼やけがを防ぐことができます。ハーネスは、ロッククライミングで使用される保護具と類似しています。

    ヘルメット

    ヘルメットは、危険性の高い作業から頭部を守るための個人用防護具です。「国際安全衛生センター」では、危険や有害なものと接触する際には、個人用防護具としてヘルメットを着床することを推奨しています。

    物質の落下から頭部を保護するだけでなく、感電から守るための役割も果たします。厚生労働省による労働安全衛生法では、安全性の高いヘルメットの規格が指定されており、危険作業には欠かせない個人用防護具です。

    防護服

    防護服とは危険な作業を行う際に着用する、全身を覆う衣服のことです。危険性のある化学薬品の取り扱いや、感染症ウイルスからの防御、塗装時の衣服の汚れを防止するために使用されます。

    薬品やウイルスと接する可能性がある場合の防護服は、無孔で安全性が保たれているなど、目的・用途により、さまざまなタイプが販売されています。

    溶接面

    溶接面とは、溶接の際に顔を守るための個人用保護具です。顔全体を覆うような形状で作られているものが多いですが、目の周りだけを覆うだけのタイプも少なくありません。

    視界部分には、液晶を使って溶接対象を見えるようにしています。また、溶接中の強い光を遮断する効果もあり、顔だけでなく目を保護するための役割も果たします。

    個人用保護具の装着方法

    個人用保護具支給およびメンテナンス

    個人保護具は雇用主がすべて支給およびメンテナンスし、ほとんどの場合、雇用主が保管します。一部の企業では、従業員が作業服などを持ち帰る規定となっている場合があります。

    個人用保護具の着用手順

    例:

    • 呼吸用保護具や保護マスクの場合、後頭部でしっかり固定してからマスクの位置を調整すると、すき間を作ることなく装着できます。
    • 手袋をしっかり伸ばして装着することで、手首が露出するのを防げます。
    • 保護メガネや保護用バイザーで目が覆われていることを確認してから、後頭部で固定します。

    個人用保護具の外し方

    個人用保護具を安全に外すには、汚染された箇所を避けるようにすることが大切です。

    例:

    • 呼吸用保護具や保護マスクの場合、後頭部の固定を解除してマスクを顔から外します。この際に、顔をマスクの前面につけないように注意します。
    • 手袋の場合、身体から離した状態で片方の手袋を裏返し、手袋の手のひらの部分をつかんで引っ張ります。手袋を外した手の指をもう一方の手袋の内側に手首から入れ、その指を押し出すようにして手袋を外します。
    • 保護メガネや保護用バイザーの場合、後頭部の固定を解除して保護具を前に向かって外し、顔から離します。

    個人用保護具を外す際に汚染箇所に触れた場合は、適切な洗剤で手をよく洗います。

    個人用保護具が破損した場合

    個人用保護具が破損した場合は、直属のマネージャーまたはマネージャーと同じような立場のスタッフにただちに連絡して、保護具を交換してください。

    個人用保護具の適切な処理方法

    使い捨ての個人用保護具は、少しの時間だけ使用した場合でも汚染されている可能性があります。適切に密閉してから、指定されたゴミ箱に捨ててください。

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