- 発行日 2023年10月24日
- 最終変更日 2025年1月16日
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p型半導体ガイド
p型半導体(p-type semiconductor)とは、半導体の種別の一つで、「正孔」と表現される、電子の不足分を電荷の運搬媒体(キャリア)として利用するものです。当記事では、p型半導体の構造や特徴について詳しく解説していきます。

p型半導体の構造
p型半導体の構造は、通常の半導体材料(シリコンなど)に微量のp型ドープが添加されることで形成されます。
このp型ドープによって、半導体内部に正孔が生成されます。正孔は電子が欠けた位置であり、電子が欠けた領域を正孔が移動することで電流を伝導します。
不純物ドープと基板の結晶構造によって特徴づけられ、電子デバイスの設計と動作において重要な役割を果たします。正孔の移動や電流の伝導を制御するために、適切なドーピングレベルと結晶品質が維持されることが重要です。
具体的な構造は、以下の要素から成り立っています。
半導体基板
p型半導体は、通常、シリコン(Si)などの半導体材料を基板として使用します。この基板は、半導体デバイスの基盤として機能し、p型半導体の成長や製造プロセスが行われます。
不純物ドープ
p型半導体の構造において最も重要な要素は、不純物によるドープです。
ドープは、半導体材料に微量添加される異物元素で、p型半導体の電子特性を制御します。p型半導体には通常、元素ホウ素(B)やガリウム(Ga)などのトリビンダー元素が使用されます。
これらの元素は、半導体の結晶構造内に取り込まれ、正孔(電子が欠けた位置)を生成します。
正孔
不純物ドープによって生成される正孔は、p型半導体の主要な電子の担い手です。正孔は電子が欠けた領域を指し、電子とは反対の電荷を持ちます。これにより、正孔は電子の不足を補完し、電流伝導に寄与します。
結晶構造
p型半導体の基板は、特定の結晶構造を持っています。シリコン(Si)を基板とする場合、ダイヤモンド格子構造が一般的です。この結晶構造は、不純物が取り込まれた位置や電子の移動を制御するための格子欠陥を含みます。
接合面
p型半導体は、n型半導体(電子が多い領域)と接合することがあります。この接合面で電子と正孔が再結合し、電流の流れを制御する役割を果たします。pn接合は、トランジスタやダイオードなどの電子デバイスにおいて重要です。
p型半導体の特徴
p型半導体は、半導体の一種です。
正孔伝導体、不純物による形成、電流制御、pn接合、整流作用などがありますが、ここではpn接合、整流作用について解説していきます。
PN接合
p型半導体の重要な特徴の一つは、pn接合において発揮されます。pn接合は、p型半導体とn型半導体(電子の多い領域)を接合させた構造です。この接合面で電子と正孔が再結合し、電流の流れを制御する役割を果たします。
整流作用
p型半導体は、整流作用においても重要な役割を果たします。整流作用は、交流電源から直流電源への変換を可能にします。p型半導体は、正孔伝導体として動作するため、正孔の流れによって電流が一方向に流れる特性を持っています。これにより、交流電源から整流された直流電源を得ることができます。
p型半導体は、電子デバイスの設計と動作において不可欠な要素であり、現代の電子機器の発展に寄与しています。その特性を活用して、トランジスタ、ダイオード、整流回路などのデバイスが実現され、私たちの日常生活に幅広く利用されています。
p型半導体のまとめ
p型半導体は、半導体デバイスにおいて重要な役割を果たす材料です。
正孔を担い手とすることで、pn接合や整流作用など、さまざまな電子デバイスに応用されています。p型半導体の特性は、電子デバイスの設計と動作において不可欠であり、現代の電子機器の発展に寄与しています。
今後も新たな技術や応用分野でp型半導体の重要性は高まり、より多くの革新的なデバイスの実現に寄与することでしょう。