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      • 発行日 2023年8月28日
      • 最終変更日 2024年1月18日
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    コンバータとは?使われているものから仕組みまで解説

    コンバータは、私たちの身の回りにたくさん使われている装置です。コンバータがなければ、あらゆる電子装置は使用できません。 この記事では、コンバータが使われているものからインバータとの違い、仕組みまで詳しく解説します。

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    コンバータとは?

    コンバータは順変換装置のことで、電流を交流から直流に変換する装置のことです。

    直流から電圧や大きさが異なる直流を作り出すDC/DCコンバータや、交流から周波数が異なる交流に変換するマトリクスコンバータなど、目的や用途ごとに異なるものがあります。

    多くの電子機器は、供給された電気をそのまま使うことができません。そのため、きちんと動かせるように、必ずコンバータが組み込まれています。

    インバータとの違い

    コンバータと似たものに、インバータというものがあります。それぞれの違いは以下の通りです。

    • コンバータ:交流を直流電流に変換する
    • インバータ:直流を交流電流に変換する

    インバータは、産業用モーターやエアコン、電磁調理器などあらゆるものに使われています。また、インバータは電子回路として以外にもモーターの回転数をコントロールしたり、電流を安定させるために使われたりと、あらゆるシーンで活用されています。

    コンバータはどんなものに使われている?

    コンバータはどんなものに使われている?

    コンバータは交流を直流電流に変換します。また、通信信号をアナログからデジタルに変換することも可能です。

    主に使われている種類は、以下の通りです。

    • DC-DCコンバータ:直流→所定の電圧の直流
    • AC/DCコンバータ:交流→直流
    • ADコンバータ:アナログ信号→デジタル信号
    • DAコンバータ:デジタル信号→アナログ信号

    次では、それぞれがどのような電子製品に使われているのかをご紹介します。

    ほとんどの電化製品に使われている

    一般家庭などでコンセントを挿して稼働する電化製品は、AC(交流)100VをDC(直流)に変換する AC/DCコンバータが搭載されています。これは、多くの半導体がDCでしか動作しないことが理由です。

    DC-DCコンバータは、直流を所定の電圧に変える働きがあります。

    たとえば、ハイブリッドカーのモーターに使われている電流を所定の直流に変換し、カーナビなどへ給電することなどに使用されているのです。

    絶縁型DC-DCコンバータ

    また、ADコンバータは、信号をアナログからデジタルに変換する働きがあり、デジタルカメラ・ビデオや医療機器などに使用されています。DAコンバータは、アナログ信号を出力するデジタル機器などで用いられており、スピーカーを搭載したパソコンやスマートフォンに搭載されています。

    EV(電気自動車)にも搭載されている

    電気自動車を駆動させるためには、数百Vの電圧を発生させる必要があります。その動力源として、リチウムイオンバッテリーの使用が欠かせません。

    しかし、電子制御ユニットにおいては、これまでと同じエンジン自動車と同じものを使用しています。そのため、12V系の電圧システムが採用されています。

    電気自動車では、バッテリーと電子制御ユニットとの間にコンバータが必要です。従来のエンジン自動車に採用されていたコンバータは、スイッチング方式コンバータと非絶縁型コンバータが取り入れられていました。

    しかし、電気自動車においては、絶縁型コンバータが採用されると考えられています。

    コンバータの仕組み

    コンバータの仕組みについて、一般的によく使われる「AC/DCコンバータ」を例に挙げて解説します。

    コンバータは、電流を交流から直流に変換して電源回路をつくる装置のことと前述しましたが、電源回路はコンバータのみで構成されていません。

    原理としては、交流100Vの電圧が印加(電源から電圧や信号を加えること)すると、低い電圧へと降圧します。これには変圧器が使われ、入力コイルへ交流電流が流れると、コア内の磁場には変化が見られるでしょう。

    それに応じて出力コイルの磁場にも変化が見られますが、降圧するために出力コイルの巻き数を少なくして、低い電圧を出力するように調整します。降圧が進むと、整流(直流に変換)しなくてはなりません。そこでコンバータとして使われているのがダイオードです。

    ダイオードに電気が通った際、マイナス側の波長が0Vを起点にプラス側へと反転するため、正極の波形を描きます。この時点で交流から直流へと変換されますが、完全な直流とはいえません。

    さらに、コンデンサとコイルで構成された回路を組み込むことにより、必要な周波数だけを通過させて電子回路を動かす直流電源となります。

    いろいろな種類のコンバータ

    ここまで解説してきたように、コンバータはあらゆるものに使われています。こちらでは、コンバータの種類についてご紹介していきます。

    ビットストリーム方式DACは、DAコンバータの一種となり、音質の歪みを整えてばらつきを均一にする働きがあります。

    また、ダウンスキャンコンバータは、画面出力信号を低い走査周波数へと変換します。

    たとえば、パソコン画面をテレビなどへ出力させる際、周波数を同期させるために使われることが一般的です。

    逆に、出力信号を高い周波数へと変換する場合は、アップスキャンコンバータが使われています。

    このように電気以外にも、音や画像を変換して適切に出力できるように使われているものを一般的にはコンバータと呼んでいます。

    身近にあるコンバータ

    身近にあるコンバータ

    先ほど解説したように、電源や信号などの波長を変換する装置をコンバータと呼びますが、電子製品や工業的な装置がほとんどです。

    しかし実は身近なところでもコンバータが使われています。ここでは、生活の中で使われているコンバータをご紹介します。

    ラジオ

    ラジオで使われているコンバータは、周波数を変換するものです。電波自体の周波数を変換して、どの地域にいても聴けるように調整されます。

    たとえば、日本と海外では使用されている周波数が異なるため、日本のラジオを海外で(逆も同様に)使っても聴取することはできません。このような問題を解消する存在がコンバータです。

    パソコン

    パソコンなどでコンバータと使われる場合には、ファイル形式変換ソフトのことを指すことが一般的です。

    ほかのソフトからのファイルを変換するコンバータソフトや、動画を変換して違うアプリケーションでも再生できるようにするビデオコンバータなどが挙げられます。

    ゲーム機

    家庭用ゲーム機は、コントローラーで操作します。

    しかし、ゲーム機でインターネットブラウザを起動する際、コントローラーを使用すると閲覧しにくいこともあり得るでしょう。

    そこで、ゲーム機とコントローラーの間にコンバータを入れることにより、マウスやゲーム機を接続できるようになり、操作しやすくなります。ただし、このような目的のコンバータは正規品ではなく、アイテムを流用して使う場合がほとんどです。

    まとめ

    コンバータに関することを解説しました。一般的にコンバータは、電気や信号などを変換する装置としてあらゆる電子機器に使われています。

    私たちにもっとも身近なものといえば、AC電源を使って動く家電などが挙げられるでしょう。これは、多くの半導体が交流でしか動作しないことが理由です。

    また、工業製品以外にも生活の中でコンバータは使われています。つまり、コンバータは生活を豊かにするためには欠かせない物なのです。

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