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ModelSource - RSの提供する無料パーツライブラリ

Martin Keenan氏、RS Components

今日のエレクトロニクス設計環境についての問題を1つ挙げ るとしたら、製品導入までの時間という要素でしょう。 エンジ ニアは、さまざまな機能と高いパフォーマンスをもった設計ツ ールを、かつてないほど短い期間で習得し、開発しなくてはな らないという困難に直面しています。

製品開発のための維持・管理コスト(TCO)は、実際の部品に基づいて綿密に検討 されるようになり、BOM(部品表)は設計サイクル全体に関連するコストより軽 視されるようになっています。 この製品導入時間の短縮という困難は、より高レベル な設計サポートの必要性とともに、グローバルな販売会社にとって大きなチャンスと なります。RSは、コンセプト段階から生産段階にできるだけ早く容易に移行できるよ うにエンジニアを支援します。

設計上の課題

昨今の製品開発では、多くの部品情報を必要としています。それにともない部品商 社としては、電子部品をストック・供給するだけでなく、動作実証済みのリファレンス 資料やアプリケーションノートなどの設計資料を容易に利用できる環境が求められま す。 しかし、設計のボトルネックを大幅に改善する重要要素は、ブロック図の記号や PCBの部品フットプリントを提供する、包括的で広範囲にわたる部品ライブラリを整 備することです。 部品ライブラリは、明らかにPCB設計ツールの中心となる機能的 要素です。 しかし、そのライブラリは誰が生成するのでしょうか。 少なくともこれまで はエンドユーザーがその役割を担ってきました。エレクトロニクス設計ツールの開発 及び導入以来、それが暗黙の了解でした。

金額を推定するのは難しいですが、世界 中のプリント基板(PCB)設計チームが、 それぞれが使用するCADツール向け に部品ライブラリを作成し直していると すれば、同じような作業が重複して行わ れていることになり、間違いなく業界全 体で高いコストが発生することになりま す。 メーカーが新しい部品をリリースす るたびに、その部品が数百又は数千もの 企業のライブラリに異なる方法で追加さ れます。

競争力は確かに重要ですが、特にクリエ イティブな設計で生まれる他のすべての 差別化要因と組み合わせた場合、専有コ ンポーネントデータライブラリによって ユーザーが切望する競争力は本当に得 られるのでしょうか。

関心の相違

設計ツールコミュニティや部品メーカ ー、PCB設計に携わる企業が互いに異 なる関心を抱いていることは明らかで す。 部品メーカーは定期的にパッケージ タイプを変更し、各製品固有のパッケー ジングを選択する傾向があります。競合 他社を排除して、単一の供給源になるこ とを目指しているためです。 また、メー カーは自社のデータをさまざまなCAD ツール形式で提供する利点をいまだ見 つけられずにいます。 CADベンダーも また、標準ライブラリ形式のサポートに 対して否定的です。充実したライブラリ を自社開発すれば製品の差別化要因と なるからです。 さらに、世界の大手の設 計及び製造企業の多くも、ライブラリを 差別化要因として捉えており、ライブラ リ管理コストをかけるだけの価値がある と考えています。 しかし、RSが認識して きたように、エンドユーザーの観点から のメリットは数多くあります。

これまでに、IPC-SM-782 (表面実装設計とランドパターン標準)など、いくつ かの標準が提案及び導入されてきまし た。IPC-SM-782は、1980年代及 び1990年代前半にIPCが定めた標 準です。

IPC ( www.IPC.org ) は、PCBの 設計、製造、組立、テストに関わるおよそ 3000社の電子機器企業が参加する世 界的な業界団体です。 IPC-SM-782 の最新の後継規格はIPC-7351Bです (表面実装設計とランドパターン規格の 一般要件)。 この標準に基づいて、ランド パターンの計算装置や生成装置を提供 するさまざまなベンダーからソフトウェア ツールを入手して、新しい部品ライブラ リを作成できます。

ModelSource - 新たな希望

こうした課題の中でModelSource が登場したことで、エンジニア、特に 迅速なプロトタイピングと小規模生産 を模索しているエンジニアの設計サ イクルタイムを短縮する新たな希望が 生まれています。 RSが先日発表した ModelSourceは、業界最大の無料部 品ライブラリで、一般的なブロック図取 得ツールとPCB設計ツールをすべてサ ポートします。 RSは、数年前にこの分野 に参入し、2D及び3D CADモデルの大 規模なライブラリの開発を進めた経験か ら、そのライブラリがメカニカル設計環 境において非常に貴重なリソースになる ことを学びました。 RSのCADモデルラ イブラリは、30,000以上の部品と40 以上のサプライヤで構成され、3Dメカ ニカル設計で広く使用されているソフト ウェアツールに対応したCAD形式で利 用できます。 ModelSourceは、こうし た活動から自然に発展したものであり、 エレクトロニクス設計の世界で応用で きる貴重な部品情報をダウンロードで きます。

ModelSourceは、80,000以上の部 品ブロック図とともに、大手メーカーに よる半導体、受動部品、電気機械系部 品のPCBフットプリントを保管していま す。 RSは、ModelSourceの部品選択 に市場インテリジェンスの複雑な組み合 わせを導入しています。この中には、最 も要求が厳しく注意を要するデバイスや サプライヤとともに、主要サプライヤに よってその年に発売され、重点的に推進 された多くの新しい部品が含まれます。

2012年10月の発売時には、100以上 のサプライヤがライブラリに参加し、一 部の大手部品メーカーからの大きな関心 もライブラリの発展にさらに貢献してい ます。

RSのエンジニア向けオンラ インコミュニティである www.designspark.com/jpn からすべてのエンジニアに対して無料 で提供されるModelSourceは、一般 的なPCB設計ソフトウェアパッケージで 使用できる20種類の異なる形式で部品 データを供給します。 ModelSource は、強化された新しいライブラリマネー ジャによってDesignSpark PCBにも 統合されており、無料設計ソフトウェア の最新バージョン(v4)では、使いやす い属性及び品番単位のインターフェイス を採用しています。 ModelSourceは DesignSpark PCBと組み合わせて 使用できますが、スタンドアロンツールと して、業界で最も普及しているすべての 設計ツールとも併用できるように設計さ れています。

RSは、サードパーティ企業の Accelerated Designsと協 力し、IPC-7351仕様に従って ModelSourceを構築しました。 エン ジニアは、特定の部品を設計で選択する際に、ModelSourceを使用してメーカ ーやRS品番ごとに検索できます。 デー タベースに登録された部品は、属性によ る絞り込み検索が行えるため、個々をダ ウンロードしなくても必要な部品を探し 出すことができます。

お客様やサプライヤ、その他のパ ートナーと連携することで、RSは ModelSource部品ライブラリが新た なリソースと機能を加えて進化すること を期待しています。 しかし、問題を解決 したとしても、ゴールは常に移動してい ます。 目前に待ち受けるのは、より大き な次の設計ボトルネックであり、より主 観的な問題です。

その他の技術記事をご覧になるには www.designspark.com/jpn/ をご覧ください。 Designspark.com はRSが運営するエンジニアのためのコミュニティーサイトです。

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