通信用ケーブルについて


技術情報   >   テック君の豆知識   >   通信用ケーブルについて


通信用ケーブルについて

通信用ケーブルについて

使う前に、選ぶ前に、これだけは知っておきたい部品のジョーシキ。
今さら聞けない あんな質問、こんな疑問を、RSが代わりに伺ってきました。

今回は、ケーブルについてご説明しましょう。
一言に“ケーブル”と言ってもたくさんの種類・仕様が存在します。今回は、通信用のケーブルを中心にご説明します。

1本のLineで1Bitずつデータを転送
シリアル通信(serial)

RS232Cケーブル

米国電子工業会(EIA:Electronic Industries Association)によって、規格、標準化されました。ほとんどのパソコンに標準装備されています。 元来、データ端末(DTE:Data Terminal Equipment)とモデム(DCE:Data Circuit Equipment)間の通信用途で使用されていましたが、利便性の良さから各種機器のインターフェースとして使用されるようになりました。ケーブルの最大長は15m、通信速度は115.2Kbpsまで可能です。 コネクタは、D-sub9Pinオスがパソコンに、D-sub25Pinメスが周辺機器のコネクタとして付いていることが多くなっています。将来は、通信速度の低速が原因で、USBなどに変わってしまうと言われています。

D-Sub9Pinオスコネクタ

USBケーブル

Universal Serial Busの略。小型化されたコネクタ、転送速度がRS232Cに比べ高速、最大127台までの周辺機器と接続、IEEE1394の規格化の遅れなどで、ここ数年で飛躍的に普及したインターフェースです。USBインターフェースもほとんどのパソコンに装備しています。現在は、初期規格であるUSB1.1(転送速度:12Mbps)と上位規格USB2.0(転送速度:480Mbps)の2つの規格が混同しています。
使用用途は、比較的低速でも転送可能な機器(キーボードやマウス、プリンタなど)が主流で、動画転送にはあまり適していません。コネクタは、Aタイプ(平形)とBタイプ(四角)があります。ホットプラグ(機器動作中のケーブル抜き差し)ができます。最近では、デジタルカメラや携帯端末などに搭載されているミニUSBも登場しています。

USBケーブル

IEEE1394(アイトリプルイー1394)

別名FireWireとも呼ばれています。ソニー株式会社では、i.Linkと言う名称で各種商品に搭載されています。また、オーディオやビデオ製品用のインターフェース「DV端子」としても有名です。
パソコンを経由せず、周辺機器同士をこの規格ケーブルで接続することでデータ転送が可能であることが最大の特徴です。例えば、デジタルカメラで撮った画像をプリンタに直接(パソコンを介さず)転送ができます。また、動画などの大容量データ転送用の目的で開発されたもので、転送速度は、100M、200M、 400Mbpsと高速です。さらに、光ファイバーを使用した上位規格1394bは、800M、1600M、3200Mbpsとかなりの高速転送が可能なものもあります。ホットプラグも可能です。

IEEE1394ケーブル

複数Lineで同時にデータを転送
パラレル通信

セントロニクスインターフェース(セントロニクスケーブル)

米国のセントロニクス社が開発・規格化したプリンタ用のインターフェースです。また、プリンタに付いているコネクタは、アンフェノール社が開発したコネクタが標準使用され、アンフェノール型とも呼ばれています。
一般的にパソコンとプリンタを繋ぐケーブルとして使用されています。パソコンにはD-sub25Pin メスが、プリンタにはアンフェノール36Pin メスが付いています。 しかし最近では、USBにその座を奪われました。また、ネットワーク(LAN:Local Area Network)などで複数人が共有し使用(プリントサーバ経由)する目的や、最長6mしか伸びず、かつケーブルが太く引き回しが容易でないということから、あまり目にすることはなくなってきています。

アンフェノール36Pin
オスコネクタ付ケーブル

SCSI(スカジー)

パソコンとハードディスクなど周辺機器に接続する為の標準インターフェース。
初期は、各社メーカー間で互換がなく機器接続の相性が悪かったのですが、SCSIとSCSI2(Fast SCSI、Wide SCSI)、SCSI3(Ultra SCSI、 Ultra Wide SCSI)と規格が整理され、利便性は良くなっています。
しかし、規格が新しくなると同時に複数コネクタが新たに種類追加され、他のインターフェースに比べて統一性は取れていません。機器間のケーブル選びは注意が必要です。