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RSの登場は、部品の仕入れにおけるパラダイムシフトでした。
知能ロボット研究室が目指しているのは、自分で状況を判断してどのように行動をとるべきかを決め、その行動をとるという自律移動型のロボット(自律ロボット)です。あらかじめ決められた手順に従って行動するだけではありません。自律ロボットはセンサーで周りの状況を見て知ってそれに従って自らの動作を決めて動きます。また、行動を決めるためにはその瞬間のセンサーデータだけでなく以前のセンサーデータも蓄積して利用します。そのためには高度な情報処理系が必要です。
ロボット研究で重要なことは社会の役に立たせること。知能ロボット研究室では作り手の視点でロボットの仕様を決めるのではなく、社会の要求に合ったロボットのための技術を開発したい。まず目指しているのは、ユーザーの問題を見つけるための実験用ロボットです。農業用の実験ロボットなら農家、建設用実験ロボットなら建設現場の声を聞いて、それぞれの問題を解決するロボット技術を研究します。月面で使うロボットなら月の専門家に地面の状態を伺い理解し、それをモデル化、理論付けすることで目的に合った自律ロボットを作るという訳です。
自律移動型のロボット(下の写真)
短納期サービス、豊富な製品群がカギ。
自律ロボットの研究開発には電子部品も機械部品も、それらを制御するソフトウエアも欠かせません。自律ロボットの研究では、RSがサポートする電子部品から機械部品まで幅広いモノづくりの知識が求められます。一人の学生が一から全て作る経験をするため、産業界ですぐ活躍できる人材を育てることができます。モノづくり、ロボット製作を通して学生は大きな自信を持つようになります。自律ロボットの研究はまさに“一石三鳥”といえましょう。
研究室では、かつては部品ごとに代理店やメーカーに注文せざる得ませんでした。ロボットに使う部品の種類は、アナログ、デジタル、プリント基板などの電子部品から車輪やアームなどの機械部品にまで山のようにあります。アールエスコンポーネンツ(RS)の登場で、研究室にいながらワンストップショッピングができるようになったことは「まさにパラダイムシフトでした」と油田教授は述懐します。豊富な製品ラインアップが揃っている、翌日届く、製品の取扱い継続も長い。こういった点がRSを使うようになった背景だそうです。マクソン社のモーターを発注した時は、メーカーよりもRSの方が早く手に入れることができて驚いたと言います。加えて、RSは直接会って相談にのってくれるなど、サポートも頼もしく感じています。
油田教授は2007年から、つくば市とニューテクノロジー振興財団が主催する「つくばチャレンジ」をリードしています。このイベントはつくば中央公園周辺の公道で、1㎞以上を自律走行してゴールを目指すチャレンジ。毎年課題は難しくなりますが、着実に進歩を遂げています。そして、今後も、実環境で動くロボット開発にチャレンジを続けていきたいと抱負を語ります。