必要なチャネル数は?

図2:6チャネル測定: RAS、CAS、WE、CS、CLKでの書込みトリガをかけたときのデータ・ライン

オシロスコープのチャネル数は、2個または4個で、一見したところ重要な問題には思われません。しかし、今やディジタル信号は至る所に存在し、ディジタル信号の量の多少に関わらず、信号にトリガをかけて表示するには、従来の2/4チャネルのオシロスコープのチャネル数では必ずしも十分ではありません。このような状況では、外部トリガ用ハードウェアを作成するか、動作を分離するための特殊なソフトウェアを書く必要があり、手間が増えます。

このようなディジタル回路の特殊性を考慮して、デバッグ用に新しいタイプのオシロスコープが登場しました。
ミックスド・シグナル・オシロスコープ(MSO)では、16個のロジック・タイミング・チャネルが追加され、オシロスコープ・チャネルと緊密に連携します。その結果、最高20チャネルの時間相関したトリガ、捕捉、表示が可能なオシロスコープが実現しました。

ミックスド・シグナル・オシロスコープでのデバッグ例として、SDRAMを考えてみましょう。SDRAMの書込みサイクルを分離するには、5種類の信号(RAS、CAS、WE、CS、クロック)を組合わせてトリガする必要があります。4チャネルのオシロスコープでは、このような基本的な測定も十分に行えません。

図2から分かるように、16個のロジック・タイミング・チャネルは、RASハイ、CASロー、WEハイ、CSでのトリガを設定するために使用されました。オシロスコープのチャネル1は、クロックの立上がりエッジの表示とトリガに使用されています。ロジック・アナライザ/オシロスコープの一体型ソリューションでは、ロジック・アナライザはオシロスコープにクロス・トリガをかけるだけ、またはその逆にオシロスコープはロジック・アナライザにクロス・トリガをかけるだけですが、ミックスド・シグナル・オシロスコープでは、オシロスコープ・チャネルとロジック・タイミング・チャネルの両方の条件が同時に満たされたときにトリガをかけることができます。

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