オシロスコープを試してみる

以上の9つのステップを考慮すれば、要件に適合するオシロスコープの選択範囲を絞ることができます。最後に、対象となるオシロスコープを実際に試して、個別に比較検討します。
数日間、オシロスコープを借りて、十分に評価します。オシロスコープを使用する際に考慮すべき点を以下に示します。

使いやすさ:試用期間中、次の点に関してオシロスコープの使いやすさを個別に評価します。
垂直感度、タイムベース速度、トレース位置、トリガレベルなど使用頻度の高い調整項目について使いやすい専用のつまみがあるか

  • ある操作から次の操作に移るときいくつの押しボタンを操作する必要があるか
  • 回路を試験している最中でもオシロスコープの操作は分かりやすいか

ディスプレイの応答性:オシロスコープの評価では、ディスプレイの応答性に注目します。これは、オシロスコープをトラブルシューティングに使用する場合でも、大量のデータを収集する場合でも重要な要素です。
V/div、Time/div、メモリ長、位置の設定を変更する際に、オシロスコープが迅速に応答するかどうかをチェックします。また、測定機能をオンにして、同じことを試し、応答が著しく低下するかどうかを調べます。

用語集

エリアジング信号  ナイキスト・レート(信号の最大周波数成分の2倍)以下でサンプリングされたため、信号の周波数成分が変更されてしまった信号(一般に電気信号)。

CAN  コントローラ・エリア・ネットワーク。自動車業界や産業界でよく使用される信頼性の高いシリアル通信バス規格。

ディジタル・オシロスコープ  高速A/Dコンバータ(ADC)を使って信号を測定し、コンピュータ・グラフィックス技術を用いて画面上(CRTまたはLCD)に表示するオシロスコープ。

GPIB  IEEE-488バスとも呼ばれる汎用測定器バス。テスト機器をコンピュータに接続したり、プログラミング可能な機器制御を提供するためのインタフェースとして広く使用されています。

高調波  信号の基本波の整数倍の周波数成分。

I2C  集積回路間バス。同一プリント基板上の複数の集積回路間のトークによく使用される、2つの信号(クロックとデータ)から構成される短距離シリアル通信バス規格。

インタリーブ  ディジタル・オシロスコープに用いられる技術で、異なるアナログ・チャネルのADCを同時に使用して、使用するチャネル数を減らすと、サンプリング・レートやメモリ長を増加させることができます。

L-C共振回路  インダクタンスとキャパシタンスから構成される回路。回路が共振または同調状態にある周波数近傍に連続分布するバンドに電気を蓄えることができます。

LIN  ローカル・インターコネクト・ネットワーク。短距離シリアル通信規格で、CANバスが備わったシステムでよく使用されます。LINは、CANバスより低速ですが、CANバスほど複雑ではありません。

ミックスド・シグナル・オシロスコープ(MSO)  アナログ信号およびディジタル信号を観察するために、従来より多数のチャネルが備わったディジタル・オシロスコープ。MSOには、通常、2個か4個のアナログ・チャネルがあり、最低でも8ビットの垂直軸分解能が備わっています。通常16個のディジタル・チャネルがありますが、各チャネルの垂直軸分解能はほとんどの場合1ビットしかありません。

SDRAM  同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ。現在最も一般的なディジタル・メモリです。すべての信号のタイミング基準が1つのクロックである点で、前世代のDRAMと異なります。

SPI  シリアル周辺機器インタフェース。ADCなどのマイクロコントローラ周辺機器からデータを読み込むために広く使用されます。2つ(クロックとデータ)か3つ(クロック、データ、ストローブ)の信号から構成される非常に簡単な短距離シリアル通信バス規格。

USB  ユニバーサル・シリアル・バス。テスト機器を含めた周辺装置をコンピュータに接続するためのインタフェース。

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