鋼製のボルト・小ねじの機械的性質

適用範囲

この規格は、鋼製のボルト・小ねじなどで、表1の適用条件に該当するもの(1)の常温(2)における機械的性質及び試験、検査並びに表示について規定する。

適用項目 適用条件
おねじ部品の種類 ボルト、植込みボルト、小ねじなどで、頭部の有無及びその形状に関係なく、機械的性質が要求されるおねじ部品。ただし、止めねじは除く。
ねじの形式 JIS B 0205 及び JIS B 0207の基準山形、呼び径及びピッチを持つもの。
ねじの呼び径範囲 1.6~39mm
材料 炭素鋼及び合金鋼

【表1】おねじ部品の適用条件

なお、強度区分4T~7Tの鋼製のボルト・小ねじの機械的性質は、附属書による。


(1):この規格で適用の対象とする鋼製のボルト・小ねじなどを総称する場合は、"おねじ部品"という。なお、完成されたおねじ部品をそのままの姿で試験に供する場合、この"おねじ部品"を、削り出して作られた試験片に対応させて、特に"製品"という。
(2): 常温の温度は、JIS Z 8703で規定する5~35℃とする。

備考

  1. この規格は、溶接性、耐食性、300℃以上の耐熱性及び-50℃以下の耐寒性が要求されるおねじ部品には適用しない。
  2. この規格の適用範囲外の寸法(例えば、ねじの呼び径が39mmを超えるもの)のおねじ部品であっても、この規格で規定する強度区分の要求を満足していれば、この規格を適用してもよい。
  3. この規格で規定する機械的性質は、常温における値であって、常温より高い温度または低い温度における値は、わずかに変化をする。
  4. この規格の引用規格は、付表1に示す。(JIS本文参照)
  5. この規格の本体は、次に示す対応国際規格によっている。(但し、本Webサイト掲載分は抜粋である)
    ISO 898-1:1988 Mechanical properties of fasteners - Part 1:Bolts, screws and studs
  6. この規格の中で、{ }を付けて示してある単位及び数値は、従来単位によるものであって参考として示したものである。なお、1N/mm2=1MPaである。

機械的性質

強度区分の表し方

おねじ部品の機械的性質による強度区分は、表2の座標に示す小数点を付けた二けたまたは三けたの数字による記号(以下、これを強度区分記号という。)で表す。この座標の横軸は呼び引張強さ(N/mm2)、縦軸は破断伸び(%)であって、強度区分記号の小数点前の数字は、N/mm2の単位による引張強さ(3)の1/100を示し、小数点後の数字は、N/mm2の単位による呼び下降伏点(3)又は呼び耐力(3)と呼び引張強さとの比(呼び下降伏点又は呼び耐力/呼び引張強さ)の10倍を示す(参考表1参照)。したがって、強度区分記号の"小数点前の数字"と"小数点後の数字"との積を10倍した値は、N/mm2の単位による呼び下降伏点又は呼び耐力となる。


(3):呼び引張強さ、呼び下降伏点及び呼び耐力は、強度区分記号の構成上、便宜的に設けられたもので、おねじ部品に適用する引張強さ及び下降伏点(又は耐力) の最小値は、それらの呼びの値と同じか、それよりも大きくなっている。(表3参照)
(4):ねじの呼び径が16mm以下のものに適用する。

【表2】強度区分体系の座標表示

【参考表 1】下降伏点または耐力と引張強さとの比

強度区分に対する機械的性質

おねじ部品の強度区分に対する機械的性質は、4.の試験(JIS本文参照のこと)を行ったとき、表3に適合しなければならない。

【表3】
機械的性質(PDFファイル)
【付表2】
おねじ部品の最小引張荷重(メートル並目ねじの場合) (PDFファイル)
【付表3】
おねじ部品の最小引張荷重(メートル細目ねじの場合) (PDFファイル)
【付表4】
おねじ部品の保証荷重(メートル並目ねじの場合) (PDFファイル)
【付表5】
おねじ部品の保証荷重(メートル細目ねじの場合) (PDFファイル)