LED ガイド

LEDの種類とメリット・デメリット

LEDとは?

LEDはLight Emitting Diodeの略で、電力を流すと発光する素子のことです。発光ダイオードともいい、電気を流すことにより光を発する性質を持つ半導体のことを指します。

LEDの特徴

LEDには次のような特徴があります。

  • 寿命が長く長時間使える
  • 消費電力が少ない
  • 紫外線・赤外線がほぼ含まれない
  • 低温時でもすぐに点灯できる
  • 水銀・鉛などが含まれない

特徴として最も有名なのは、寿命が長く消費電力が少ないことです。加えて紫外線や赤外線がほぼ含まれないことから商品・家具などの退色を防ぐことができ、低温時でもつきにくくなることが少ないため、商業施設や家庭で重宝されています。また、水銀・鉛など環境汚染物質が含まれず地球にも優しい製品です。LEDには以上のように、数々の優れた特徴があります。

LEDの発光色は元素の構成により決まる

LEDにはさまざまな発光色があり、元素の構成により色が決まります。いずれの色のLEDでも、主な元素の構成は次のとおりです。

  • ガリウム
  • 窒素
  • インジウム
  • アルミニウム
  • リン
  • ヒ素

LEDはさまざまな元素の化合物であり、化合物により放出される光の波長は変わります。光の波長が変わることにより、赤・青・緑・桃色などの色に見えるLEDが作られます。

LEDを使用するメリット

それでは、LEDを使用するメリットについて詳しく解説していきます。

LEDを使用するメリット

  • 寿命が長いため交換の手間が少なくなる
  • 衝撃に強く壊れにくい
  • 光熱費・照明購入費削減に効果的
  • 虫が集まりにくく屋外照明として便利
  • 紫外線による退色が軽減される
  • メリハリのある発色が美しく応答性が高い
  • 発熱が少ない

LEDの寿命は一般的に10年とされており、衝撃に強く壊れにくい性質であることから、蛍光灯などと比べると交換の手間が少なくなります。買い替えの回数が少なくなると照明購入費削減につながりますが、さらにLEDは消費電力が少ないため、光熱費も削減できるようになりトータルでランニングコストを抑えられるようになるでしょう。

また、紫外線がほとんど含まれないことから虫が集まりにくく、紫外線による物の退色もほぼありません。さらに発色が美しく応答性にことから、家庭用としてはもちろん、商業施設の屋外照明として最適です。ハイパワー型以外の種類のLEDであれば、電球や蛍光灯と比べて発熱が少ないことから食品を扱う施設にも適しています。

以上のようにLEDには、従来の蛍光灯や電球と比べてさまざまな優れたメリットがあります。

LEDを使用するデメリット

LEDを使用することにはメリットだけではなく、次のようなデメリットもあります。

LEDを使用するデメリット

  • 商品の価格が高め
  • 発光が全方向ではない
  • 熱に弱く使える場所が限られる
  • 重量がある
  • 照明用途ではレンズや反射板などが必要
  • 抵抗・定電流ダイオードなどの部品が必要

LEDは照明購入費と光熱費削減に役立つものの、商品価格自体が高めであるというデメリットがあります。そのため、導入する際のコストは他の種類の照明器具と比べて高めです。また、発光が全方向ではないことから、発光されていない場所にいるときは蛍光灯より暗く感じられる場合もあります。

熱に弱いこともLEDを使用する際のデメリットです。浴室など熱がこもる場所では故障しやすく、そのままでは使用できない場合が多いでしょう。蛍光灯や電球と比べて重量があることもあり、設置したい場所で使いにくいと感じられるかもしれません。

照明用途ではレンズや反射板などの工夫が必要であることや、抵抗・定電流ダイオードなどの部品が必要であることは導入のハードルを高くしています。LEDの使用には、メリットばかりではなく以上のようなデメリットもあります。

LEDの種類

丸型(砲弾型)LED
ドーム形状の最も一般的な形です。大きさも直径が3、5、10mmを基本に様々なサイズがあります。外観モールドは色つき拡散パッケージ、無色透明パッケージの2種類があり、拡散パッケージ発光光度よりも視野角を広く取りたい場合など、無色透明は発光色を消灯時に分からない方が都合の良い場合などに使われます。
チップLED
表面実装型のLEDです。LED素子をチップ形状のパッケージに封入しています。丸型と同様に、無色パッケージと着色パッケージが存在します。また、パッケージ内部に反射処理(チップからの光を効率よく表示面に導く)を施した物もあります。
セグメント型LED
数字を表すため、7つもしくは16のセグメントに分かれたパッケージです。
数字の「8」の形状で各辺が7つに区切られ、デジタル時計などに表示される数字のイメージが7セグです。寸法も豊富です。制御方法によって、アノードコモン、カソードコモンがあるので注意が必要です。(電流の方向性があるため)
ドットマトリクス型LED
5x7等、LED素子を均等に並べて一つのパッケージに収めた物です。7セグでは表現できない、複雑な表示をすることができます。
ハイパワー型LED LED素子を複数個パッケージに封入したタイプです。発光密度が高く、非常に明るいですが、反面、パッケージ単体では放熱することができないため、熱対策が必要となります。
赤外線LED
紫外線LED
通常のLEDは可視光内での発光が一般的ですが、可視光外の光を出す物もあります。





LEDを選定する際の単位

単位  意味
If 順方向電流
Vf 順方向電圧
Vr 逆方向電圧
Pd 許容損出
λp ピーク発光波長  ※メーカーにより表現が異なる。
⊿λ スペクトル半値幅 ※メーカーにより表現が異なる。
λd ドミナント波長  ※メーカーにより表現が異なる。
Iv 光度、単位はカンデラcd、若しくは、ルーメン/ステラジアン(lm / sr)
F 光束、単位はルーメン(lm)
B 輝度、単位はニト(nt) ※n = 1cd / m2

白熱電球・蛍光灯との違い

LEDと白熱電球・蛍光灯との違いは次のとおりです。

 

LED

白熱電球

蛍光灯

寿命

約40,000時間

1,000~2,000時間

約13,000時間

商品価格

700~2,000円

100~250円

400~800円

消費電力

9W

54W

12W

年間の電気代

約700円

約4,200円

約950円

紫外線

含まれない

含む

わずかに含む



LEDと白熱電球・蛍光灯の違いを比較すると、LEDの寿命の長さと消費電力の少なさが目立ちます。蛍光灯の約3倍、白熱電球と比較すると約40倍も寿命が違うことは大きな違いです。商品価格はLEDが最も高額ですが、昨今では価格帯も抑えられてきており、蛍光灯とほぼ変わらない価格で購入できるようになってきています。

消費電力量の少なさから年間の電気代は顕著に抑えられるため、電気使用量の多い環境でLEDに切り替えると、他の種類の照明器具との違いが大きく実感できるでしょう。照明器具としての構造の違いによる含有される紫外線の量や、耐衝撃性も違いのひとつ。総合的にLEDは、白熱電球・蛍光灯よりわずかに高価であるものの、使い勝手が良く丈夫な照明器具と言えるでしょう。

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